「上司から聞きました」と伝えたい時のビジネスメール例文とマナー

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「上司から聞きました」と伝えたい時のビジネスメール例文とマナー

ビジネスメールの文面を整えるうえで、「誰の発言か」「どのような立場から伝えているか」を明確にすることは、信頼感や納得感を生むために欠かせません。特に「上司から聞きましたと伝えたい時のビジネスメール」のように、上司の言葉を引用して伝える表現は、相手に対して情報の裏付けを示す有効な手段となります。ただし、その伝え方を間違えると、責任逃れに見えたり、印象を損ねてしまうこともあります。

この記事では、社内外のやり取りにおいて上司の発言を引用する際の適切な書き方や敬語の使い方、注意すべきポイントについて、具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。ビジネスメールに自信を持ちたい方にとって、実務にすぐ役立つ内容です。

この記事のポイント!

  • 上司の発言を丁寧に伝えるメール表現
  • 社内外での敬語や言い回しの使い分け
  • 上司の名前や役職の適切な書き方
  • 誤解を招かない伝達方法と注意点
目次

上司から聞きましたビジネスメールは信頼を高める手段

なぜ「上司から聞きました」がメールで使われるのか

「上司から聞きました」という表現は、情報の信頼性を高めたり、発言に裏付けを持たせたりするために使われます。特に社外とのやり取りでは、自分個人の判断ではなく、組織としての意見や方針であることを示すのに効果的です。例えば「上司より、その件について了承を得ております」と記載することで、相手に安心感を与えることができます。ただし、使い方を誤ると責任逃れと受け取られる可能性もあるため、注意が必要です。

例文:

  • 上司より本件に関して了承を得ておりますので、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
  • 上司からの指示を受け、内容を確認いたしました。
  • 弊社上司の見解として、本件については保留との判断となっております。
  • 上司に確認のうえ、こちらの内容で問題ないとのことでした。
  • 上司に伺った結果、早急な対応が必要と判断されましたのでご連絡いたしました。
  • 上司から連絡を受けたため、至急ご報告いたします。
  • 上司より本件について伺い連絡しました。今後は私の方でご対応させていただきます。
表現例使用シーン効果・意図
上司より了承を得ております社外への通知・報告組織の意思として伝える
上司からの指示を受け~指示系の連絡責任の所在を明確にする
弊社上司の見解として~見解や判断の伝達判断根拠を補強する
「上司から聞きました」の表現例と使い方

ポイント:

  • 組織としての同意を伝える際に有効。
  • 個人判断ではないことを強調できる。
  • 相手に安心感を与える表現。

社内の人から聞いた 敬語をどう活かすべきか

社内の先輩社員や別部署の担当者から聞いた表現をそのままビジネスメールに反映する場合もあります。こうした場合、相手に対して情報の信ぴょう性を示すとともに、謙虚な姿勢を伝えるための言い回しが重要です。「先輩社員からこのように伺いました」「経理担当より共有を受けております」など、立場や相手の関係性に応じて調整しましょう。

例文:

  • 経理担当より、この件に関する処理方法について伺っております。
  • 担当部署の○○より、以下のように説明を受けております。
  • 同部署の先輩社員から、手順の確認をしております。
表現例該当する相手ニュアンス
経理担当より伺いました他部署社員専門性のある内容に説得力を持たせる
○○より説明を受けております同じチーム・先輩社員協調性・謙虚さを伝える
担当者から共有を受けました一般的な社内関係者事実確認の共有として使用
社内の人から聞いた場合の表現例

ポイント:

  • 情報の出所を示すことで信頼性を高める。
  • 上下関係に応じた敬意を表す言い回しを使う。
  • 「〜より伺っております」「〜より共有を受けております」など、間接的かつ丁寧な表現が基本。

上司の名前を出すときの注意点とマナー

上司の名前をメールに出す際には、相手や状況に応じて慎重に言葉を選ぶことが求められます。社外向けのメールでは「上司の◯◯より〜」と具体的な名前を出すよりも、「上司より伺っております」のように立場を表す程度にとどめるのが無難です。これは、個人情報の配慮と同時に、組織的な対応として見せるための配慮でもあります。社内向けであればもう少しカジュアルでも問題ありませんが、あくまで敬意を保った表現を心がけましょう。

シーン推奨表現理由・配慮点
社外メール営業部長の田中より~敬意と情報の簡略性を両立
社内メール田中(営業部長)から~内部の理解を優先、柔軟な表現
上司の名前の書き方比較(社内/社外)

上司の名前の表記に関する具体的な指針

社外メールで上司の名前を出す場合、「部長の佐藤より指示を受けております」などのように役職を先に書き、フルネームを避けるのが一般的です。また、社内メールでも業務上の文脈で名前を出す際には、「佐藤(部長)からの申し送りです」のように、敬称と役職を併記するのが適切です。ただし、プライバシーへの配慮からフルネームを避けたり、相手企業と役職の格差がある場合には役職だけで済ませることもあります。

例文:

  • 営業部長の田中より、本件について指示を受けております。
  • 弊社経理課長の山口より、見積内容に関してご確認を依頼されております。

ポイント:

  • 役職を先に書くことで敬意を示す。
  • 社外ではフルネームを避け、必要最小限の情報にする。
  • 相手にとって不自然に感じられないよう配慮した表記を心がける。

誤解を防ぐ伝え方の具体例とNG例

情報の出所を明らかにすることは重要ですが、その伝え方次第で誤解を生むこともあります。例えば「上司からそう聞いています」だけでは、伝聞のニュアンスが強く、責任の所在が不明瞭です。一方で「上司の指示により、〜いたしました」とすることで、情報の根拠と行動理由が明確になります。NG例としては、「上司がそう言ってたので」というカジュアルすぎる表現が挙げられます。ビジネスでは曖昧さを避け、丁寧で論理的な言い回しを心がけましょう。

例文(良い例):

  • 上司の指示により、今月末までにご提出させていただきます。
  • 上司の確認のうえ、本日中に発送手配いたします。

NG例:

  • 上司がそう言ってたので、よろしくお願いします。
  • なんとなく聞いた話なんですが…

ポイント:

  • 行動の根拠を明確にする。
  • 相手に失礼のない文調で責任を示す。
  • カジュアル表現は避け、信頼感のある伝え方を意識する。

「あいまいに伝える表現」は有効か?場面別の判断軸

曖昧な表現が必ずしも悪いわけではありません。とくに断定が難しい段階では、「〜かと存じます」「〜のようです」といった柔らかい言い方が相手への配慮として機能します。ただし、責任や意思決定に関わる内容でこれらを多用すると、信頼を損なう可能性もあります。状況に応じて、明確さと曖昧さのバランスを見極めることが大切です。社内では柔軟に、社外では明確にを基本に使い分けましょう。

曖昧な表現明確な表現違いのポイント
~かと思います~と考えております推測 vs 意思表示
~のようです~と伺っております印象 vs 情報の出所明記
~と思われます~との判断がありました主観的 vs 組織的判断
「曖昧な表現」と「明確な表現」の比較

上司から聞きましたビジネスメールの応用と敬語の使い分け

上司から聞いた 敬語 社外でのスマートな使い方

社外向けのメールでは、「上司から聞いた」という事実を丁寧に、かつ相手に配慮して伝える表現が求められます。たとえば「上司よりこの件について共有を受けております」といった言い回しは、丁寧かつ立場を明確に伝える方法として有効です。注意すべきは、上司の言葉をそのまま引用せず、あくまで自分の言葉として再構成することです。これは、情報の責任を自身が担うというビジネスマナーの一環でもあります。

社外メールで「上司の発言」を使うべき場面と避けるべき場面

上司の発言を引用することで、社外の相手に対して根拠や説得力を持たせられることがあります。たとえば、価格交渉や納期調整などの際には、「上司からも本件について慎重に対応するよう指示がありました」と伝えると効果的です。一方で、トラブルやクレーム対応時には「上司もそう言っています」と使うと責任転嫁に聞こえることがあります。そのため、引用は信頼構築を目的とし、責任を回避する手段として使わないようにしましょう。

丁寧すぎる言い回しが逆効果になる理由

丁寧な表現は基本ですが、行き過ぎると相手に回りくどい印象や曖昧さを与えてしまいます。たとえば、「恐れ入りますが、もし差し支えなければご確認いただけますと幸いです」といった表現は、丁寧ではありますが内容がぼやけます。もっとシンプルに「ご確認をお願いいたします」としたほうが、意図が伝わりやすくなります。文章の目的に応じて、簡潔さと丁寧さのバランスを意識しましょう。

表現丁寧さ読み手の印象適切な場面
上司より伺っております丁寧で信頼感がある社外とのやり取り全般
上司が言ってましたカジュアルすぎて不適切親しい社内の会話など限定的
経理担当より聞いております丁寧さと実用性のバランス社内外どちらにも使いやすい
〜と聞いています低〜中曖昧で責任が不明確判断・報告には不向き
表現の丁寧さレベル比較(読み手への印象を比較)

社内外で使えるメールの結び方テクニック

メールの締めくくりは、内容の印象を左右する重要なポイントです。社内であれば「何卒よろしくお願いいたします」や「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」が一般的です。社外では「引き続きよろしくお願い申し上げます」や「ご不明点がありましたら、お知らせくださいませ」といった、少し丁寧な表現が好まれます。相手との関係性や業界の慣習も考慮し、違和感のない表現を選ぶことが大切です。

宛先よく使われる表現印象注意点
社内ご確認のほど、よろしくお願いいたします柔らかく自然簡潔にまとめると好印象
社外引き続きよろしくお願い申し上げます丁寧・礼儀正しい敬意を保った終わり方が必要
両用ご不明点がございましたら~包含力がある誠実な姿勢を伝える
社内・社外でのメール結び方の使い分け

引用メールで自分の立場を明確にする方法とは

メールで上司の言葉や方針を伝える際、自分がどのような立場で話しているのかを明らかにすることは非常に重要です。たとえば「上司の判断により対応いたしましたが、不明点があれば私までご連絡ください」と記載することで、発言の根拠と対応窓口の両方を示すことができます。相手は誰に対して返信・質問をすれば良いかが分かりやすくなり、結果として円滑なやり取りにつながります。

フレーズ使うべき理由補足情報
上司の判断により対応いたしました責任の所在を明確にする回答の窓口を提示する際に有効
私の方で確認のうえご連絡いたしました自主的対応を強調できる上司の了承後の行動に適用
上司の承認を得ておりますのでご安心ください安心感・信頼を与える交渉時やトラブル対応に有効
引用メールで立場を明確にするフレーズ集

「上司から聞きました」と伝えたい時のビジネスメール例文とマナー まとめ

  • 「上司から聞きました」は発言の信頼性を高める手段として使われる
  • 組織の意思として伝えることで安心感を与えやすい
  • 情報の出所を明示することで責任の所在が明確になる
  • 社内の他部署や担当者から聞いた内容も丁寧に伝えるべき
  • 上司の名前は社外メールでは役職のみで表現するのが望ましい
  • 社内メールでは役職と名前を併記することで理解しやすくなる
  • カジュアルな伝聞表現は誤解や不信感を生む原因になる
  • 曖昧な表現は断定できない場面では有効だが多用は避ける
  • 「共有を受けております」「伺っております」などが丁寧な伝え方
  • 引用の際は自分の立場や責任範囲を明記することで信頼を得られる

参考文献

【1】黎 秋虹 (2015). 『ビジネスメールにおける日本語の対人配慮の示し方』. 昭和女子大学. https://swu.repo.nii.ac.jp/record/163/files/2015-5.pdf


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