ビジネスメールでは、言葉の選び方ひとつで相手に与える印象が大きく変わります。中でも「以下の通りです ビジネスメール」という表現は、情報を丁寧に伝える際によく使われますが、使い方を誤ると冷たい印象を与えてしまうこともあります。本文では、「以下の通りです ビジネスメール」の正しい意味や使い方、注意点、そして適切な言い換え表現までをわかりやすく解説します。相手に配慮したスマートなメール文を作成するためのヒントとして、ぜひご活用ください。
- 「以下の通りです」の正しい意味と使い方
- ビジネスメールでの適切な使用シーン
- 丁寧で失礼にならない表現の工夫
- 「下記」との違いや言い換え表現の選び方
「以下の通りです ビジネスメール」の意味と使い方を知る
「以下の通りです」の基本的な意味とは


“以下”って、何か“下に”あるからそう言うんじゃないの?



うん、それも正しいよ。でも実際は、“これから説明するよ”っていう合図の言葉なのよ。
「以下の通りです」とは、「これから書く内容は、次の内容のとおりです」という意味を持つ表現です。 主に、情報を箇条書きで整理したり、文章を引用する前の前置きとして使われます。
この表現は、読み手に対して「次の内容をしっかり読んでください」という合図の役割も果たします。そのため、文書やメールなど、フォーマルな場面で多用されます。また、文末の定型表現としても使いやすく、読み手に次の情報を受け入れる準備を促す効果もあります【1】。
一方で、話し言葉ではあまり使われません。書き言葉としての性格が強く、丁寧かつ整理された印象を与えることができます。
ビジネスメールで使う際に注意すべきポイント





ちょっと待って。それだけだと、“事務的すぎる”って思われちゃうかも。



えっ!?気持ちはちゃんとあるのに〜!
「以下の通りです」は便利な表現ですが、相手に対してぶっきらぼうに見えることもあります。 とくに、目上の相手や取引先には注意が必要です。
その理由は、この表現が事務的で冷たく感じられる可能性があるからです。単に事実を伝える場合には有効ですが、丁寧さや配慮を加えないと無愛想に見えてしまうことがあります。
そのため、「ご確認ください」や「ご査収ください」といったクッション言葉を添えると、印象がやわらぎます。 例えば「以下の通りご案内いたします。ご確認のほどお願いいたします。」というように使えば、自然で丁寧です。
また、ある研究では、送信者が相手との関係性に応じて敬語や丁寧語を調整している実態が確認されており、定型句をそのまま使うよりも、相手への配慮を反映させることが望ましいとされています【2】。
丁寧で失礼にならない使い方はこれ





“正しい”だけじゃ、相手の心には届かないこともあるんだよ。



そっか…言葉の外にも気遣いってあるんだね…!
適切な文脈で「以下の通りです」を使うことで、失礼にあたらず、相手に伝わりやすいメールになります。ポイントは、「文の前後に気遣いの表現を添えること」です。
例えば、以下のような表現がよく使われます。
- 資料をご送付いたします。以下の通りご確認ください。
- 添付ファイル名:月次報告書2025年5月版.pdf
- 内容:売上実績、顧客対応状況、今月の課題と改善案
- 会議の日程は以下の通りですので、ご予定のほどお願いいたします。
- 日時:2025年6月20日(金)10:00~11:00
- 場所:第2会議室(大阪支社3階)
- 議題:新プロジェクトの進行管理とリソース調整
- 新システム導入の概要は以下の通りです。ご一読ください。
- 導入日:2025年7月1日(月)
- 対象部門:営業部・サポート部
- 主な変更点:顧客管理機能の刷新、レスポンス高速化
- お手数ですが、以下の内容にご対応をお願いいたします。
- 回答期限:2025年6月15日(水)17:00まで
- 回答方法:Googleフォーム記入
- 質問項目:参加可否、希望テーマ、必要資料
- 以下の通り変更がございますので、ご確認のうえご対応をお願いいたします。
- 営業担当変更:田中一郎 → 佐藤花子
- 対応時間:平日9:00~17:00(変更なし)
- 連絡先:新メールアドレス 〇〇@〇〇.com
こうすることで、単に情報を並べるだけでなく、相手への配慮も同時に伝えることができます。
“以上”をつけるべきかの判断ポイント
「以下の通りです」で内容を示したあとに「以上」を書くべきかは、文の構成や目的によって異なります。
「以上」をつけた方がよいケース
- 情報が箇条書きで提示されており、文の終わりを明示したいとき
- 通知文・報告書・フォーマルなメールで、明確な締めが必要なとき
例:
以下の通りご案内申し上げます。
---
日時:2025年6月30日(月)10:00〜11:00
場所:本社会議室B
議題:システム導入に関する説明
---
以上、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
「以上」を省略しても問題ないケース
- その後に本文や補足が続く場合
- 「ご確認ください」などで文がすでに自然に締まっているとき
例:
以下の通りご確認ください。
---
資料名:決算報告書2025年版
担当者:経理部 山田
---
ご不明点がございましたら、お気軽にお知らせください。
目的に応じて使い分けることで、読みやすく、丁寧な印象を与える文面になります。
間違えやすい使い方とNG例





うん…その“っぽさ”、逆に不自然かも。



えっ、てっきり丁寧バージョンかと…!
「以下の通りです」は便利な表現ですが、誤った使い方も少なくありません。
例えば、「以下のとおりのようです」といった重複表現は不自然です。また、「以下の通りですが…」と曖昧に続けると、読者に混乱を与える可能性があります。
さらに、「以下の通りです。」だけでメールを締めくくるのも避けましょう。文末には、「ご確認ください」や「ご不明点があればご連絡ください」といったフォローの文言があると丁寧です。
書き出しや末尾に使える自然な文例





文の“前”と“後”に、気遣いが添えてあるかを見るといいよ。



なるほど!“単体”じゃなくて“流れ”で見るんだね!
以下に、実際のメールでよく使われる「以下の通りです」の自然な文例を紹介します。
- 添付資料をご送付いたします。以下の通りご確認ください。
- 本日の議事録は、以下の通りです。
- 来週の予定を以下の通りご案内申し上げます。
- ご依頼いただいた内容は、以下の通りご回答申し上げます。
- 更新された契約条件は以下の通りとなります。
- ご注文の詳細は、以下の通りご確認ください。
いずれも、丁寧でフォーマルな印象を与える文面です。 文頭・文末ともに適切な表現を添えることで、自然で安心感のあるメールになります。
「以下の通りです」を使うメールの具体的シーン





“以下の通りです”って、地味な感じかと思ってたけど…



実は、いちばん現場で頼りにされてる言葉かもね。
「以下の通りです」は、さまざまな業務メールで活躍する表現です。具体的には、以下のような場面で使用されます。
- 会議の議事録を送るとき
- 提案書や報告書を送付するとき
- 業務連絡でスケジュールや人員配置を知らせるとき
- 社内研修の日程を通知するとき
- 社外への業務報告を共有するとき
- マニュアルや操作手順を連絡するとき
こうしたシーンでは、情報を箇条書きで整理して提示する必要があるため、「以下の通りです」が非常に有効です。ただし、場面によっては「ご確認ください」などを添えて丁寧に仕上げることが求められます。
「以下」と「下記」の違いと使い分けのポイント





“以下”は流れで読ませたいとき、“下記”は場所をピンポイントで示すときだよ。



なるほど…!言葉の“目的”で選ぶんだね!
「以下」と「下記」は似た意味で使われますが、厳密にはニュアンスが異なります。
「以下」は、位置的・論理的に“これより後”という意味で、文章内で続く内容を指します。一方、「下記」は“この文より下に記載してある内容”を明示的に示す表現です。
ある研究によると、これらの使い分けには、送信者の意図や読み手への配慮が表れており、文脈によって表現の選択に差が出る傾向があることが報告されています【1】。
例えば、メールで箇条書きを用いて明確に情報を示したい場合には「下記の通り」と表現する方が適しています。逆に、少し柔らかく情報を渡す場合は「以下の通り」が便利です。
「以下の通りです ビジネスメール」の代替表現と応用方法
他の言い換え表現との違い





うん、使う場面で“意味”も“印象”も変わるから、選び方が大事なんだよ。



なるほど…ただの言い換えじゃなくて、“意図の着替え”なんだね!
「以下の通りです」に代わる表現には、「ご確認ください」「ご査収ください」「ご案内申し上げます」などがあります。それぞれの表現には微妙な違いがあるため、文脈に応じた使い分けが必要です。
例えば、「ご確認ください」は事実の伝達よりも、確認を促すトーンが強めです。「ご査収ください」は物品や書類の受け取り時に限定して使われます。
したがって、「以下の通りです」は、中立的な文体で情報整理や列挙に向いており、他の言い換えとは異なる役割を担います。
シーン別の使い分けと適切な選び方





“誰に”送るか、“何を”伝えるかで、言葉の服装も変えるんだよ。



なるほど…メールにもTPOがあるんだね!
メールの目的や相手によって、表現を使い分けることが重要です。
例えば、社内向けの報告メールでは「以下の通りです」を使っても問題ありませんが、顧客や取引先に対しては「ご案内申し上げます」や「下記の通りご確認ください」といった表現がより丁寧です。
また、会議の案内、報告書の送付、資料の共有など、目的に応じて適した表現を選ぶことで、相手に不快感を与えず、印象の良いメールが作れます。
上司・取引先に安心して使えるフレーズ例





“ご多忙中恐縮ですが”…とかって、やりすぎって思われない?



大丈夫。“丁寧”って、“安心して読める”ってことだから。
目上の相手や社外へのメールでは、より丁寧な表現が求められます。
以下のようなフレーズは、相手への敬意を示しつつ「以下の通りです」を自然に組み込めます。
- ご多用のところ恐縮ですが、以下の通りご確認いただけますと幸いです。
- 以下の通りご案内申し上げます。何卒よろしくお願いいたします。
- ご査収のほど、以下の通りお願い申し上げます。
- ご多忙中恐れ入りますが、以下の内容をご一読いただけますと幸いです。
- 以下の通り、内容をご確認の上、ご対応いただければと存じます。
こうした言い回しを活用すれば、格式と配慮のバランスが取れたメールになります。
メール本文での配置やフォーマットの工夫





中身は同じなのに、なんか丁寧に見えるの不思議だなぁ…



“伝える力”って、言葉だけじゃなくて“見せ方”にもあるんだよ。
「以下の通りです」を使う場合、文の構成にも気を配る必要があります。特に、文章と箇条書きとの間には適度な余白や改行を入れることで、読みやすくなります。
また、見出しを太字にしたり、箇条書きを整えたりすることで視認性が向上します。フォーマットが整っているだけで、相手への印象が大きく変わります。
単純な表現でも、見せ方ひとつでメールの印象が大きく左右される点に注意しましょう。
誤解されない表現を選ぶためのコツ





文章って“ちゃんと書いたつもり”でも、相手が混乱することあるんだね…



うん。“伝える”って、“相手の読む順番”まで設計することなんだよ。
「以下の通りです」と伝えたつもりでも、相手にうまく伝わらないことがあります。そこで、情報の順序や文脈にも意識を向ける必要があります。
例えば、いきなり「以下の通りです」と書くのではなく、導入文で内容を予告してから書き始めると、相手の理解度が高まります。
加えて、専門用語や略語の使用も控え、誰でも読める文章を心がけることが大切です。
相手に伝わるメール文に仕上げるために





“書いた内容”じゃなくて、“伝えたい意図”が届くといいわね。



うん、メールって思ってたより“心を使う”んだね…!
最後に、「以下の通りです」を使うメールは、内容だけでなく、配慮や丁寧さも求められます。言葉の選び方ひとつで、相手の印象が大きく変わるためです。
結論だけを伝えるのではなく、「なぜこの情報を共有するのか」「どうしてこの表現を使うのか」を意識しながら、全体の構成を組み立てましょう。
これらの工夫を積み重ねることで、単なるビジネスメールが、相手に信頼感を与える有効なコミュニケーション手段になります。
参考文献
【1】加藤久美子(2017)『日本語ビジネスメールにおける言語使用の実態と定型句の機能分析』https://ci.nii.ac.jp/naid/120006471427
【2】大野早苗(2021)『ビジネスメールの敬語および形態素に着目した送受信者間における親疎関係判定モデルの構築』https://ci.nii.ac.jp/naid/500001323382



