ビジネスメールの結びで「繰り返しにはなりますが」とお礼を伝える際、相手に**「しつこい」と思われないか**、あるいは目上の人に対して失礼にあたらないかと不安を感じることはありませんか。感謝の気持ちを強調したい場面でも、適切な言葉選びやマナーを理解していないと、かえって相手にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。この記事では、状況に応じた正しい表現や、より洗練された言い換えフレーズについて詳しく解説します。
- ビジネスメールの文末で感謝を繰り返す際の正しいマナー
- **「重ねてお礼申し上げます」**など状況に応じた使い分け
- 目上の相手や英語のメールでも使える具体的な例文
- しつこさを感じさせずに感謝を強調するスマートな表現

繰り返しにはなりますが再度お礼を伝える正しい作法
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表現の選び方
相手との関係性や、お礼を伝えるタイミングによって最適な言葉が変わります。
ビジネスメールで効果的に感謝を伝えるシーン

ビジネスメールにおいて、冒頭の挨拶だけでなく文末でも再度お礼を伝える行為は、相手に対する敬意を強調し、メール全体の印象をポジティブなものにするために非常に有効な手段です。特に、相手が自分のために時間や労力を割いてくれた場合、一度の「ありがとうございます」だけでは感謝の気持ちが十分に伝わらないと感じることがあるでしょう。そのような場面こそ、結びの言葉として**「繰り返しにはなりますが」**という表現を活用すべきタイミングといえます。
具体的には、商談や打ち合わせの直後に送るお礼メール、会食や接待を受けた翌日の連絡、あるいは手間のかかる資料作成や調査に協力してもらった際などが挙げられます。こうしたシーンでは、メールの冒頭で「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と感謝を述べつつ、要件を伝えた後の締めの部分で再度感謝を伝えることで、相手に**「本当に感謝している」という誠意**を強く印象づけることができます。
心理学的に見ても、人間は最後に提示された情報の印象を強く記憶に残す傾向があります(親近効果)。そのため、メールの最後にポジティブな感謝の言葉を配置することは、ビジネスにおける良好な関係構築において理にかなった戦略であると考えられます。単なる形式的な挨拶としてではなく、相手への配慮を示す**「ポライトネス(丁寧さ)」**の表現として、文末での再度の感謝を積極的に取り入れていくと良いでしょう。
目上の人に送る際のマナーと失礼がない注意点

目上の人や取引先に対して「繰り返しにはなりますが」というフレーズを使うこと自体は、敬語として誤りではなく、決して失礼な表現ではありません。しかし、使い方や文脈によっては、相手に「くどい」「説明的すぎる」といった違和感を与えてしまうリスクもゼロではないため、細心の注意が必要です。特に、短い用件のメールでこの前置きを多用すると、かえって文章のリズムを悪くしてしまう可能性があります。
目上の相手に送る際に最も大切なのは、相手の立場を尊重し、謙虚な姿勢を示すことです。「繰り返しにはなりますが」という前置きは、言葉の通り「同じことを二度言います」と宣言していることになります。そのため、相手によっては「言われなくても分かっている」と感じさせてしまう場合があるのです。これを避けるためには、単に「繰り返しにはなりますが」と置くだけでなく、その後に続く感謝の言葉を最上級の敬語表現にするなどの工夫が求められます。
例えば、「繰り返しにはなりますが、お礼申し上げます」とするよりも、「繰り返しにはなりますが、本日は誠にありがとうございました」と丁寧語を尽くしたり、後述する**「重ねてお礼申し上げます」のような、よりビジネスシーンに定着した定型表現を選んだりする方が無難です。また、謝罪のシーンとは異なり、お礼のシーンでは「繰り返し」という事実を強調するよりも、「感謝の深さ」を強調する**方が相手にとって心地よい響きとなります。したがって、相手との関係性やメールの内容に応じて、過度にへりくだりすぎず、かつ敬意を失わないバランス感覚を持つことが大切です。
重ねてお礼申し上げますとの適切な使い分け方

「繰り返しにはなりますが、お礼申し上げます」と非常に似た表現として、ビジネスシーンで頻繁に使われるのが**「重ねてお礼申し上げます」**です。この二つの表現は、どちらも「もう一度感謝を伝える」という点では共通していますが、そのニュアンスや使用頻度には明確な違いがあります。この違いを理解し、適切に使い分けることで、より洗練されたメールを作成することができます。
**「重ねてお礼申し上げます」は、ビジネスメールにおいて「文末での再度の感謝」を伝えるための最も標準的で洗練された定型句とされています。「重ねて」という言葉には「再び」「もう一度」という意味が含まれており、非常に簡潔かつスマートに感謝の意を強調できます。対して、「繰り返しにはなりますが」**は、やや説明的な響きがあり、口語(話し言葉)に近い印象を与えることがあります。
したがって、格式高い文書や、初めて連絡を取る相手、あるいは非常に目上の相手へのメールでは、「繰り返しにはなりますが」よりも**「重ねてお礼申し上げます」を使用する方が、よりプロフェッショナルな印象を与えられる**でしょう。一方で、「繰り返しにはなりますが」は、少し砕けた関係性や、電話での会話の流れを汲んだメール、あるいは「感謝」以外の内容(例えば、重要な確認事項の念押しなど)とセットで使う場合に適している傾向があります。
| 表現 | 特徴・ニュアンス | 推奨シーン |
| 重ねてお礼申し上げます | 洗練、定型、スマート | 目上の人、公式なメール、結びの挨拶 |
| 繰り返しにはなりますが | 説明的、丁寧、やや口語的 | 親しい取引先、念押しが必要な場合、文中 |
このように、基本的には**「重ねてお礼申し上げます」を第一候補**とし、文脈に応じて「繰り返しにはなりますが」を補助的に使うというスタンスでいると、迷いなくメールを書くことができるようになります。
「改めて」と「重ねて」の使い分け
似ているようで使いどころが違います。時間軸を意識することで、より洗練された印象になります。
「略儀ながら」の活用
本来は会って(または手紙で)お礼すべきところを、メールで済ませる場合の便利な言葉です。
本来であれば拝眉の上お礼申し上げるべきところ、
略儀ながらメールにてお礼申し上げます。
※本当に重要な相手には、後日電話や手書きのお礼状でのフォローを推奨します。
文末の結びとして印象に残る感謝を伝える方法

メールの結びで感謝を伝える際、単に定型句を貼り付けるだけでは、相手の心に響くメッセージにはなりません。印象に残る感謝を伝えるためには、定型句に加えて**「相手への具体的な言及」や「未来への展望」**をプラスすることが効果的です。これにより、受け取った相手は「自分のために書かれた言葉だ」と感じ、より好感を抱きやすくなります。
具体的なテクニックとしては、「重ねてお礼申し上げます」の直前に、相手がしてくれた具体的な行動や、それによって自分がどう助かったかという一文を添える方法があります。例えば、「〇〇様のアドバイスのおかげで、不安が解消されました。重ねてお礼申し上げます」といった書き方です。このように具体的なエピソードを交えることで、感謝の言葉に重みと真実味が増します。
また、未来に向けたポジティブな言葉とセットにすることも有効です。「次回お目にかかれるのを楽しみにしております」や「今後とも、共にプロジェクトを進められることを嬉しく思います」といった言葉を結びに添え、その上で最後に「改めまして、本日はありがとうございました」と締めくくることで、過去(してもらったこと)への感謝だけでなく、未来(これからの関係)への期待も同時に伝えることができます。こうした「過去への感謝」と「未来への期待」の組み合わせは、ビジネスパートナーとしての信頼関係を強化する上で非常に強力なアプローチとなります。
状況別の例文から学ぶ具体的なメールの書き方

ここでは、実際に「繰り返しのお礼」を効果的に使ったメールの例文を、シーン別に紹介します。これらの例文をベースに、ご自身の状況に合わせてアレンジして活用してください。
商談・打ち合わせ後のお礼
件名:本日の面談のお礼(株式会社〇〇 氏名)
本文:
(冒頭省略)
本日はご多忙の折、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
〇〇様よりいただきましたご提案につきまして、社内で検討の上、改めてご連絡差し上げます。
(中略)
末筆ではございますが、本日は有意義な意見交換をさせていただき、重ねてお礼申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
会食・接待後のお礼
件名:昨夜のお礼(株式会社〇〇 氏名)
本文:
(冒頭省略)
昨夜は結構な席にお招きいただき、心より感謝申し上げます。
普段はなかなか伺えない貴重なお話も拝聴でき、大変勉強になりました。
(中略)
美味しいお食事と楽しい時間を過ごさせていただき、改めまして深くお礼申し上げます。
次回はぜひ、私共の方で席を設けさせていただければ幸いです。
協力・支援に対するお礼
件名:〇〇プロジェクトご協力のお礼
本文:
(冒頭省略)
この度は、弊社のプロジェクトに多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございました。
おかげさまで、無事に目標を達成することができました。
(中略)
急なお願いにも関わらず、迅速にご対応いただきましたこと、繰り返しにはなりますが心より感謝申し上げます。
また何かお力添えをお願いすることもあるかと存じますが、その際は何卒よろしくお願いいたします。
これらの例文のように、文末での感謝は、メール全体の流れを締めくくる重要な役割を果たしています。相手との関係性や、感謝の対象となる出来事の大きさに合わせて、最適な表現を選んでみてください。
繰り返しにはなりますがの他にお礼を伝える表現
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場面に応じて使い分けるスマートな言い換え表現

「繰り返しにはなりますが」や「重ねてお礼申し上げます」以外にも、日本語には感謝を再提示するための美しい表現が数多く存在します。これらを場面に応じて使い分けることで、語彙の豊かさを示し、より洗練されたビジネスパーソンとしての印象を与えることができます。一つの表現に固執せず、状況にベストマッチする言葉を選ぶ柔軟性が大切です。
例えば、非常に深い感謝や、相手に多大な恩義を感じている場合には、**「厚く御礼申し上げます」や「心より感謝申し上げます」**といった表現が適しています。これらは「繰り返す」という行為自体を言葉にするのではなく、感謝の「深度」を直接的に伝える表現です。「本日はご足労いただき、厚く御礼申し上げます」のように使うことで、重厚感のある結びとなります。
また、少し柔らかい表現としては、**「改めまして感謝いたします」や「末筆ながらお礼申し上げます」といったフレーズも便利です。「末筆ながら」は、手紙文化の名残を感じさせる奥ゆかしい表現であり、相手の繁栄を祈る言葉(「末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」)とセットで使われることが多いですが、シンプルにお礼につなげることも可能です。さらに、相手が親しい間柄であれば、「最後になりますが、本当にありがとうございました」**と素直な言葉で結ぶのも、かえって気持ちが伝わる場合があります。
改めてお礼申し上げますを活用するテクニック

「重ねてお礼申し上げます」と並んで頻繁に使われるのが**「改めてお礼申し上げます」という表現です。一見すると同じように見えますが、厳密には「時間軸」や「状況」のニュアンスに違いがあります。「重ねて」が「その場でもう一度」という意味合いが強いのに対し、「改めて」は「時間を置いてもう一度」「別の機会にしっかりと」**という意味を含んでいます。この特性を理解することで、より効果的な使い分けが可能になります。
具体的には、メールのやり取りが一度終了した後、日を改めて送るメールや、プロジェクトが完了してから数日後に送る総括のメールなどで「改めてお礼申し上げます」を使うのが最適です。「先日はありがとうございました。改めてお礼申し上げます」と切り出すことで、時間が経っても感謝の気持ちが薄れていないことを伝えられます。
また、何かトラブルやミスがあり、その対応をしてもらった後など、一度場を仕切り直したい場合にも「改めて」は有効です。冒頭で謝罪や報告を行い、最後に「この度は迅速なご対応をいただき、改めてお礼申し上げます」と結ぶことで、ネガティブな話題からポジティブな感謝へと気持ちを切り替え、メール全体をきれいに締めくくることができます。このように、「改めて」は文脈の転換点や、時間の経過を意識した感謝の表現として非常に機能的です。
略儀ながらメールにてのお礼も便利なフレーズ

ビジネスのスピード化が進む現代では、本来であれば直接会って、あるいはお手紙(書面)でお礼を伝えるべきところを、メールで済ませなければならない場面が多々あります。そのような場合に、礼儀を欠いているのではないかという懸念を払拭し、謙虚な姿勢を示すことができるのが**「略儀ながらメールにて」**というフレーズです。
この表現は、「本来は拝眉(お会い)してお礼を申し上げるべきところ、メールという簡略な手段で申し訳ありません」という謝意と敬意を含んでいます。そのため、目上の人や取引先に対して、訪問する時間が取れない場合や、取り急ぎ感謝を伝えたい場合に非常に重宝します。**「略儀ながらメールにてお礼申し上げます」や「略儀ではございますが、まずはメールにてお礼申し上げます」**といった形で使用します。
ただし、このフレーズを使う際は、あくまで**「略式」であることを自覚している姿勢**を見せることがポイントです。本当に重要な件や、相手が非常に伝統を重んじる方である場合は、メールだけでなく、後日改めて電話をしたり、手書きのお礼状を送ったりするなどのフォローが必要になることもあります。メールだけで完結させる場合でも、この一言があるだけで「マナーを心得ている」という印象を与えることができるため、結びの定型句としてストックしておくと良いでしょう。
英語で感謝を繰り返す場合の自然なフレーズ

グローバルなビジネスシーンや外資系企業とのやり取りにおいても、メールの結びで再度感謝を伝える習慣は一般的です。ただし、日本語の「繰り返しにはなりますが」を直訳して “Although it is a repetition…” などと書くと、英語としては不自然で回りくどい表現になってしまいます。英語には英語特有の、感謝を繰り返すためのスマートな定型フレーズがあります。
最も一般的で使いやすいのが、“Thank you again for…” という表現です。「改めて〜をありがとうございます」というニュアンスで、文末の結びとして非常に自然に使われます。
- “Thank you again for your time today.”(本日はお時間をいただき、改めてありがとうございます。)
- “Thank you again for your help.”(ご協力に改めて感謝いたします。)
もう少しフォーマルに、強調したい場合は “Once again” を使うこともあります。
- “Once again, thank you for your generous support.”(多大なるご支援に、重ねてお礼申し上げます。)
さらに硬い表現として、”I would like to reiterate my appreciation for…”(感謝の意を再度表明したいと存じます)といった書き方もありますが、日常的なビジネスメールでは少し大げさに響くこともあるため、契約関連や公式な挨拶状などで使うのが無難です。基本的には “Thank you again” を使いこなし、文脈に応じて “I truly appreciate…” などの表現を組み合わせることで、十分に丁寧な印象を与えることができます。
🌍 English Expressions
英語メールでの「繰り返し」はどう表現する?
最も一般的で自然な表現。文末の結びとして最適。
“Thank you again for your time today.”
少し改まった強調表現。
“Once again, thank you for your generous support.”
直訳的な表現や、過度な繰り返し(”I would like to reiterate my appreciation…”など)は、日常的なビジネス会話では硬すぎて不自然になる場合があります。
感謝の気持ちをより強調するクッション言葉

感謝の言葉を繰り返す際、唐突に「重ねてお礼申し上げます」と書くのではなく、その前に**「クッション言葉」**を挟むことで、より感情のこもった、柔らかな印象を与えることができます。クッション言葉とは、直接的な表現を和らげたり、相手への配慮を示したりするための言葉です。これらを活用することで、事務的なメールがあたたかみのあるコミュニケーションへと変化します。
例えば、「ご多忙中とは存じますが」や「お手数をおかけいたしますが」といった依頼の際によく使われる言葉も、お礼の文脈に応用できます。「ご多忙の中ご対応いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます」とすれば、相手の状況を思いやる気持ちが伝わります。また、「至らぬ点もあったかと存じますが」という謙遜の言葉を添えて、「ご指導いただきましたこと、心より感謝申し上げます」と続けるのも効果的です。
さらに、相手の厚意を強調するクッション言葉として、**「身に余るお言葉をいただき」や「温かいお心遣いをいただき」**といったフレーズもあります。「この度は温かいお心遣いをいただき、改めて深く感謝申し上げます」と結べば、単なる業務連絡を超えた、人と人とのつながりを大切にする姿勢を示すことができます。こうした言葉の選び一つで、相手が受け取る印象は大きく変わるため、状況に合わせて適切なクッション言葉を添えるよう意識してみましょう。
繰り返しにはなりますが最後にお礼のマナーまとめ
- 文末の再感謝は親近効果を高め好印象を残す
- 「繰り返しにはなりますが」は間違いではないが多用注意
- 目上の相手には**「重ねてお礼申し上げます」**がより無難
- 「重ねて」はその場での強調、「改めて」は時間差の強調
- **「略儀ながら」**はメールで済ませる非礼を詫びる便利な言葉
- 英語メールでは “Thank you again” が標準的で自然
- 具体的なエピソードを添えると感謝の重みが増す
- クッション言葉を挟むことで事務的な印象を回避できる
- 相手との関係性に応じて言葉の格式を調整する
- 謝罪とお礼を混同せず、ポジティブな言葉で締める
- 「厚く御礼」「心より感謝」などバリエーションを持つ
- 未来への展望(次回への期待)とセットにすると効果的
- 形式だけでなく誠意を込めることが最も重要
- くどくならないよう、メール全体の長さとのバランスを見る
- 迷ったときはシンプルに「本当にありがとうございました」でも良い


