ビジネスの場では、取引先との信頼関係を築くための適切なコミュニケーションが欠かせません。その中でも、見積書を受け取った際に送る見積もりお礼メールは、相手に感謝の気持ちを伝えるだけでなく、スムーズな取引を進めるためにも重要です。
しかし、「どのような内容を盛り込めばよいのか」「返信のタイミングはいつが適切なのか」と迷うこともあるでしょう。特に、検討中の場合や発注の意思を伝える場合など、状況に応じた適切な対応が求められます。
本記事では、見積もりお礼メールの基本的なマナーや適切な送付タイミング、状況別の例文まで詳しく解説します。正しく送ることで、取引先に好印象を与え、良好な関係を築くことができます。
- 見積もりお礼メールの基本的な役割と重要性
- 見積もりお礼メールを送る適切なタイミングとマナー
- 状況別(検討中・発注・お断り)の適切な書き方と例文
- 返信がない場合のフォローアップ方法と注意点
見積もりお礼メールの基本と重要性
見積もりお礼メールを送る理由とは?


見積書って、届いたら何か返すの?



まずは“届きました”って伝えるのが大事よ。
見積もりお礼メールは、見積書を受け取ったことに対する感謝を伝えるだけでなく、今後の取引関係を円滑にするための重要なビジネスマナーです。特に、受け取った側から何の反応もないと、相手は「見積書が届いていないのでは?」と不安を感じることがあります。
また、見積書を受領した後の対応を明確にすることも大切です。検討期間が必要な場合は「社内で精査しており、〇日までに返答します」と伝え、発注する場合は「お見積りの通り発注をお願いします」と明確に記載しましょう。
お礼メールを適切に送ることで、相手への信頼を示し、今後のやり取りをスムーズに進めることができます。
送るタイミングと適切な返信期限





今日中に返せないかも…!



大丈夫、“検討中で〇日までに連絡します”って伝えれば丁寧よ。
見積もりお礼メールは、見積書を受領した当日か、遅くとも翌営業日までに送るのが理想的です。返信が遅れると、相手に「この会社は対応が遅い」と思われる可能性があるため、迅速な対応を心がけましょう。
ただし、見積もりの内容を精査する時間が必要な場合は、その旨を伝えることが重要です。「現在、社内で検討中です。〇月〇日までにご連絡いたします」と明記することで、相手側も状況を把握しやすくなります。
特に、発注の可否がまだ決まっていない場合は、返信の期限を明確に伝えることで、不必要な催促を避けることができます。
送付時に気を付けるマナーとポイント





“株式会社”と“(株)”ってどっちで書くの…?



正式名称が基本だよ。送る前にチェックも忘れずに。
見積もりお礼メールを送る際には、以下の点に注意しましょう。
- 相手の名前や会社名を正確に記載する
誤字脱字があると、信頼を損ねる原因になります。送信前に再確認しましょう。 - 件名を明確にする
「見積書受領のお礼」や「見積書のご送付ありがとうございます」など、内容がすぐに分かる件名をつけることが大切です。 - 簡潔かつ丁寧な表現を心掛ける
長々とした文章は避け、読みやすい文面を意識しましょう。例えば、「迅速にご対応いただき、誠にありがとうございます」と感謝を明確に伝えることが重要です。 - 今後の対応を明確にする
検討中なのか、発注するのか、または辞退するのかを簡潔に伝えることで、相手が次の対応を取りやすくなります。
チェック項目 | 内容の説明 |
---|---|
宛名の正確さ | 担当者名・会社名の誤字脱字に注意 |
件名の明確さ | 例:「見積書受領のお礼」など、内容が伝わる件名 |
表現の丁寧さ | 失礼にならない言い回しを意識 |
今後の対応の明示 | 検討中・発注予定など、次のアクションを記載 |
見積もりお礼メールの基本構成と書き方


見積もりお礼メールは、以下のような構成で書くと分かりやすくなります。
- 件名:「見積書受領のお礼」など、簡潔で分かりやすい件名をつける
- 宛名:相手の会社名・担当者名を正式に記載する
- 挨拶:「お世話になっております」といったビジネスメールの定型挨拶を入れる
- 本文:以下の要素を盛り込む
- 見積書を受領したこと
- 見積書の送付に対するお礼
- 現在の状況(検討中、発注予定など)
- 必要に応じて次のアクションの予定を伝える
- 結び:「引き続きよろしくお願いいたします」「ご不明点があればお知らせください」などの結びの言葉を入れる
- 署名:会社名、部署名、名前、連絡先を明記する
この流れを押さえることで、相手に伝わりやすいメールを作成できます。



毎回テンプレ探すの大変で…



自分なりの型を持っておくと、時短にもなるわよ。
見積もりお礼メールの具体例と対応別テンプレート
見積もりお礼メール【検討中の場合】





まだ発注決まってないから、なんて書けばいいか迷ってた〜



迷ったら、“お時間をいただき恐縮です”でやんわり伝えるのも手だよ。
見積もりを受け取ったものの、まだ社内での決定が出ていない場合は、以下のような内容を伝えましょう。
- 見積書を受領したことを報告する
- 送付に対するお礼を述べる
- 検討中であることを伝える
- いつまでに返答するかの目安を示す
【例文①】基本的で丁寧なパターン
現在、社内で慎重に検討しているため、〇月〇日までにご連絡させていただきます。お時間をいただき恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
【例文②】少し柔らかい表現を含んだパターン
このたびは迅速にお見積もりをお送りいただき、誠にありがとうございます。現在、社内で内容を確認しており、〇日頃までにはご返答できる見込みです。何卒よろしくお願い申し上げます。
【例文③】理由を添えるパターン
見積書のご送付、誠にありがとうございました。現在、他の案件との調整も含めて社内で検討しており、ご返答までに少々お時間を頂戴しております。〇月〇日までには正式なご連絡を差し上げますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
【例文④】短めで要点をまとめたパターン
お見積もりありがとうございます。社内で検討中のため、〇日までに改めてご連絡いたします。何卒よろしくお願いいたします。
【例文⑤】社内決裁を理由に含めたパターン
このたびは見積書をお送りいただき、ありがとうございます。ただいま社内決裁の手続きを進めております。〇月〇日までにはご返答させていただきますので、少々お時間を頂けますと幸いです。
このように記載することで、相手が状況を把握しやすくなり、不要な催促を避けることができます。
見積もりお礼メール【承諾・発注する場合】


発注が決定した場合は、スムーズに手続きを進めるために、明確に伝えましょう。
- 見積書を受領したことを伝える
- 迅速な対応への感謝を述べる
- 正式に発注する意思を伝える
- 発注書の送付予定や納期について確認する
【例文①】標準的な丁寧表現(元の例文)
社内で慎重に検討した結果、御社に発注をお願いすることになりました。正式な発注書は追ってお送りしますので、ご確認いただけますと幸いです。
【例文②】納期確認を加えたパターン
お見積もりをありがとうございました。社内での検討を経て、貴社に発注させていただくことが決定いたしました。正式な発注書は〇日中に送付予定です。また、納期については改めてご確認させていただければと思います。
【例文③】事務的ながら明確なパターン
このたびは見積書をご送付いただき、ありがとうございます。社内決裁を経て、貴社に正式に発注する運びとなりました。つきましては、発注書を別途お送りしますので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
【例文④】納品スケジュールの調整を含めたパターン
御見積の内容を拝見し、社内で検討した結果、貴社に発注させていただきたく存じます。納品スケジュールについて一度ご相談させていただければ幸いです。発注書は追ってお送りします。
【例文⑤】リピート発注時などで使えるカジュアル感
いつもお世話になっております。今回もお見積もりありがとうございました。内容問題ありませんので、今回も発注させていただきます。発注書は後ほど送りますので、よろしくお願いいたします。
このように、シンプルかつ明確に伝えることで、取引をスムーズに進められます。



送っても、これで合ってるのかなって不安になっちゃう…



“明確な言葉”は信頼につながるから、自信を持って。
見積もり検討後の返事のポイント





断る時ってどう書けば角が立たないの…?



“費用面での調整が必要”ってやんわり伝えるといいわよ。
見積もりを検討した後の返答では、相手にとって分かりやすいメールを心がけることが重要です。
- 検討の結果を具体的に伝える
たとえば、「費用面で調整が必要」「仕様について追加確認が必要」など、理由を添えると誠実な印象を与えます。 - 次の対応を明示する
「〇〇の点について、追加のご提案をいただけますか?」といった形で、相手がアクションを起こしやすくすることが大切です。 - 回答期限を示す
たとえば、「〇月〇日までに正式な決定をご連絡いたします」と伝えることで、スムーズなやり取りが可能になります。
返信がない場合のフォローアップ方法





まだ催促って早いかな?



“確認のお願い”くらいなら丁寧に伝えられるわよ。
見積もりに関するメールを送ったものの、相手からの返信がない場合は、適切なタイミングでフォローアップを行いましょう。
- 見積書が届いているか確認する
「お送りしたメールはご確認いただけましたでしょうか?」と、やわらかい表現で問いかけることがポイントです。 - 期限を設定する
「〇月〇日までにご確認いただけますと幸いです」と期限を示すことで、相手に対応を促すことができます。 - 電話での確認も検討する
重要な取引の場合、メールの見落としを防ぐためにも、電話で確認するのも有効です。
適切なフォローアップを行うことで、スムーズな取引へとつなげることができます。
方法 | 内容・注意点 |
---|---|
メールで再送信 | 丁寧な文面で確認する。「お忙しいところ恐縮ですが、再度ご確認いただけますでしょうか」など |
電話確認 | 緊急度が高い場合に使用。タイミングと口調に注意 |
回答期限の提示 | 明確な締切を伝えることで、相手の対応を促しやすくなる |
見積もりお礼メールに関するQ&A
見積もりお礼メールの書き方とマナー まとめ
- 見積もりお礼メールは取引関係を円滑にするビジネスマナー
- 返信は見積書を受領した当日または翌営業日が理想
- 件名は「見積書受領のお礼」など簡潔で明確にする
- 相手の会社名や担当者名を正確に記載することが重要
- お礼の言葉とともに、次の対応を明確に伝える
- 検討中の場合は、返答期限を示して相手に伝える
- 発注する場合は、正式な発注の意思を簡潔に伝える
- 返信がない場合は、柔らかい表現でフォローアップする
- 誤字脱字や表現ミスを防ぐため、送信前に必ず確認する
- 重要な取引の場合は、電話での確認も検討する

