5W1Hとは?ビジネス報告で使う型|失敗しない基本ガイド

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WhoからHowまでの六つのゲートで情報を整理する仕分け工場を、アカネとコトネとはりたもが動かすアイキャッチ

こんにちは、はりたもです。

上司に仕事の報告をしたとき、「結局、何が言いたいの?」「それで、いつまでに終わるの?」と聞き返された経験はありませんか?

自分では丁寧に説明しているつもりなのに、なかなか要点が伝わらない。そんなときに役立つのが、5W1H(ゴダブリューイチエイチ)という考え方です。

5W1Hとは、「誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように」という6つの視点で情報を整理する方法です。

ビジネスでは、報告や連絡、相談だけでなく、会議の議事録、依頼メール、企画書など、幅広い場面で活用できます。

ただし、6つの項目を覚えて、順番に並べればよいというわけではありません。

私が仕事で大切だと考えているのは、長く説明することよりも、相手が判断するために必要な情報を整理することです。

例えば、「誰が・何を・いつまでに・なぜ行うのか」が分かれば、上司は進捗を把握しやすくなります。そこに実施方法や必要な費用まで加われば、具体的な指示や判断にもつなげやすくなります。

この記事では、5W1Hの基本から、ビジネスでそのまま使える例文、5W2Hとの違い、報告で失敗しないためのポイントまで、初心者にも分かりやすく解説します。

曖昧な報告で戸惑うアカネに、コトネが5W1Hの六つの質問を示し、はりたもが見守る導入漫画
結果と期限付きの次の行動を報告できたアカネに、コトネとはりたもが伝わる報告の要点を伝える漫画
この記事で理解できること
  • 5W1Hの意味と6つの要素、正しい使い方
  • 日報・会議・メール・トラブル報告で使える例文
  • 5W1Hと5W2Hの違い、費用や数量の整理方法
  • 相手がすぐ判断できる報告の作り方と注意点
目次

5W1Hとは?ビジネスでの意味

5W1Hとは、英語の5つの「W」と1つの「H」からなる、情報整理の基本的な枠組みです。

ビジネスでは、出来事や仕事の計画を複数の視点から確認し、必要な情報の抜け漏れを見つけるために使います。

最初に6つの要素を理解しておくと、報告だけでなく、仕事を依頼するときや会議で質問するときにも役立ちますよ。

5W1Hの6つの要素と役割

6つの質問を記した整理棚で、コトネがアカネに5W1Hを説明する

5W1Hは、次の6つの英語の疑問詞を組み合わせたものです。

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要素意味ビジネスで確認する内容
Who誰が・誰に担当者、対象者、責任者
What何を・何が作業内容、発生した問題、決定事項
Whenいつ・いつまでに実施日時、発生時刻、期限
Whereどこで場所、部署、システム、実施環境
Whyなぜ・何のために目的、理由、背景、原因
Howどのように方法、手順、使用する道具

例えば、上司から「来週の会議資料を準備しておいて」と頼まれた場面を考えてみましょう。

一見、簡単な指示に見えます。しかし、このままでは分からないことが残っています。

誰が資料を作るのか。何の会議なのか。いつまでに完成させるのか。誰に配布するのか。どのような形式で作るのか。

こうした疑問を5W1Hに当てはめると、次のように整理できます。

5W1Hを使った具体例

Who:営業部の田中さんが作成する

What:月次営業会議の報告資料を準備する

When:11月5日17時までに完成させる

Where:本社会議室で使用する

Why:営業実績と今後の課題を共有するため

How:社内の指定テンプレートを使って作成する

ここまで整理できれば、担当者は自分が何をすればよいのか判断しやすくなります。

また、指示を出した上司も、期限や作成方法について認識が一致しているか確認できます。

大切なのは、5W1Hの各項目は場面によって意味が広がるという点です。

例えば、Whoは「誰が作業するか」だけでなく、「誰に説明するか」「誰が確認するか」という意味でも使えます。

Whereも住所だけとは限りません。オンライン会議、社内システム、製造ラインなど、仕事が行われる環境を表す場合もあります。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のセキュリティ教育に関する資料でも、Whoを研修の対象者、Whyを実施目的、Howを教育方法として整理しています。

つまり、5W1Hは単語の意味を機械的に当てはめるものではありません。

その仕事を理解し、次の行動を決めるために必要な質問を考える道具なのです。

5W1Hに正しい順番はある?

報告と企画でカードの順番を変え、伝える目的に合わせる二人

5W1Hには、あらゆる場面に共通する唯一の正しい順番はありません。

一般的には「Who・What・When・Where・Why・How」などの順番で紹介されますが、実際のビジネスでは目的に合わせて並べ替えて問題ありません。

例えば、トラブルが発生したときに、最初から担当者の名前や場所を長々と説明すると、上司は「結局、何が起きたの?」と感じるかもしれません。

この場合は、まず何が起きたのかを伝える方が分かりやすいでしょう。

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場面伝える順番の例重視すること
業務報告What → When → Who → How結果や進捗を先に伝える
緊急報告What → When・Where → Who → How発生事象と対応状況を優先する
企画の説明Why → What → Who → How目的や必要性を理解してもらう
会議の決定事項What → Who → When → How担当と期限を明確にする

これらは実務で使いやすい順番の例であり、決められた規則ではありません。

例えば、企画書では「なぜ実施するのか」を先に示すと、提案の背景を理解してもらいやすくなります。

反対に、事故やトラブルの第一報では「何が起きたのか」「現在どのような影響があるのか」を優先する方が適切な場合があります。

◆はりたものワンポイントアドバイス

私が報告を受ける立場で意識しているのは、「最初に何を知りたいか」です。緊急時なら発生した問題、通常の進捗報告なら結果、判断を求める相談なら決めてほしいことが気になります。5W1Hは覚える順番より、相手に伝える順番を考えることが大切ですよ。

5W1Hを仕事で使うメリット

5W1Hをビジネスで使うメリットは、単に文章を整えられることではありません。

情報の不足を確認し、相手との認識のずれを減らし、仕事を進めやすくするところに価値があります。

特に、新社会人や若手社員にとっては、何を確認すればよいのか分からないときの助けになります。

例えば、上司に「資料の準備はどうなっている?」と聞かれた場合を考えてみましょう。

「今、準備しています」と答えるだけでは、進捗状況も完了予定も分かりません。

一方、「資料は全10ページのうち8ページまで完成しており、残りは明日15時までに仕上げる予定です」と答えれば、上司は進み具合を具体的に把握できます。

ここでは、WhatとWhenに加えて、進捗を示す数量も役立っています。

このように、5W1Hを意識すると、次のような場面で情報を整理しやすくなります。

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活用場面期待できること
報告・連絡・相談状況や必要な対応を共有しやすくなる
仕事の依頼担当者と期限を明確にできる
会議決定事項を具体的な行動に移しやすくなる
企画・提案目的と実施方法を整理できる
トラブル対応発生事象と対応状況を分けて確認できる

ただし、5W1Hを使えば必ず伝達ミスがなくなるわけではありません。

項目がそろっていても、中身が間違っていれば正しい判断にはつながらないからです。

また、すべての報告を細かく書こうとすると、かえって負担が増えることもあります。

中小企業基盤整備機構のJ-Net21でも、日報の情報整理に5W1Hを活用する考え方を紹介する一方、記入項目を増やしすぎないことの重要性に触れています。

(出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「日報を上司と部下のコミュニケーションツールに昇華させる」)

私も、5W1Hは仕事を複雑にするためではなく、シンプルにするために使うものだと考えています。

報告の内容が複雑なほど、最初に必要な情報を整理しておくと安心ですね。

なお、報告・連絡・相談の違いや、社会人として身につけたい基本的な力については、ビジネススキル一覧|新人が最初に磨く力でも紹介しています。

5W1Hを使った報告の書き方

ここからは、5W1Hを実際の仕事で使う方法を紹介します。

ビジネス報告では、6つの要素をすべて文章に詰め込む必要はありません。まず結論を示し、必要な情報を補う形にすると読みやすくなります。

基本的には、次の型を意識すると整理しやすいですよ。

ビジネス報告の基本テンプレート

「○○についてご報告します。(What)

○月○日に、○○で実施しました。(When・Where)

担当は○○です。(Who)

○○を目的として、○○の方法で進めました。(Why・How)

現在の結果は○○です。

今後は○月○日までに○○を行います。」

この型はあくまで一例です。短い日報では一部を省略してもよいですし、緊急報告では発生した問題や影響、対応状況を優先して伝えます。

それでは、場面ごとの例文を見ていきましょう。

日報・業務報告の例文

曖昧な日報を、契約保留という結果と期限付きの次の行動に整理するアカネ

日報や業務報告では、その日に何を行い、どのような結果になったのかを伝えることが大切です。

例えば、営業担当者が商談の結果を上司に報告する場合を考えてみます。

改善前の報告

「今日はA社に営業に行きました。新しい料金プランについて説明しましたが、まだ契約には至っていません。引き続き対応していきます。」

間違った文章ではありませんが、上司が知りたい情報が十分に伝わっていません。

誰と話したのか。なぜ契約に至っていないのか。次はいつ、何をするのかが曖昧です。

5W1Hを意識した改善例

「本日11時にA社を訪問し、購買担当の佐藤様へ新料金プランを提案しました。

先方は現在の契約費用を見直したいとのことで、現行プランとの比較資料を使って説明しました。

料金については前向きな反応でしたが、社内での検討が必要なため契約は保留となっています。

11月6日までに追加資料を送付し、翌週に検討状況を確認する予定です。」

この報告では、何を行ったのかに加え、相手の反応、現在の状況、次の行動が分かります。

上司も、追加の支援が必要か、いつ進捗を確認すればよいか判断しやすくなります。

なお、日報では毎回長い文章を書く必要はありません。

「実施内容」「結果」「課題」「次の対応」の4項目に分けて書く方法もあります。

短い日報の書き方

実施内容:A社へ新料金プランを提案

結果:料金面は好感触、契約判断は保留

課題:追加の費用比較資料が必要

次の対応:11月6日までに資料送付

このように、5W1Hで情報を確認したうえで、実際の報告は短くまとめても問題ありません。

私としては、日報で重要なのは文章量よりも、昨日と比べて何が進み、次に何をするのかが分かることだと思います。

会議・議事録の例文

会議で決定事項と担当者、期限をそろえ、未決事項を分ける二人

会議では、さまざまな意見が出ます。しかし、話し合っただけで終わってしまうと、仕事が前に進まないことがあります。

そんなときにも5W1Hが役立ちます。

議事録で特に重要なのは、「何を決めたのか」「誰が担当するのか」「いつまでに行うのか」という3つの情報です。

例えば、次のような議事録があったとします。

改善前

「ホームページの改善について話し合った。採用ページの充実と問い合わせ方法の見直しを進めることになった。」

これでは、担当者や期限が分かりません。

また、決定したことと、単に意見として出ただけのことが混ざっている可能性もあります。

5W1Hを使って整理すると、次のようになります。

改善後

決定事項(What):採用ページの内容を見直す

目的(Why):応募希望者が仕事内容を理解しやすくするため

担当(Who):総務部の田中さん

期限(When):11月10日までに改善案を提出

実施方法(How):現在のページを確認し、写真・仕事内容・応募方法の改善案をまとめる

未決事項:新しい写真の撮影時期は次回会議で決定

こうしておけば、会議に出席していなかった人でも、何が決まり、どこまで進んでいるのか理解しやすくなります。

注意したいのは、5W1Hだけでは「決定済み」と「検討中」の違いまでは自動的に整理できないことです。

議事録では、決定事項、未決事項、次回までの宿題を分けておくと、さらに分かりやすくなります。

◆はりたものワンポイントアドバイス

会議で私が一番避けたいのは、「みんなで進めましょう」で終わってしまうことです。方向性に賛成していても、担当者と期限が決まっていなければ、誰も動けないことがあります。最後に「誰が、何を、いつまでに」を確認するだけでも、会議の意味が変わってくると思いますよ。

依頼メールの例文

見積書の確認内容、期限、返信方法を明記した依頼メールを作るアカネ

5W1Hは、仕事を報告するときだけでなく、相手に作業を依頼するときにも役立ちます。

特にメールでは、送った側と受け取った側で認識がずれやすいため、必要な情報を明確にすることが大切です。

例えば、次のようなメールを考えてみましょう。

改善前

件名:資料の確認について

お疲れ様です。

先ほどの資料を確認しておいてください。

よろしくお願いします。

短くて読みやすい文章ですが、どの資料なのか、いつまでに確認すればよいのか、何を確認すればよいのかが分かりません。

相手は確認のために追加の質問をする必要があるかもしれません。

5W1Hを意識した改善例

件名:【11月6日まで】見積書の内容確認のお願い

営業部 佐藤様

お疲れ様です。

11月9日に予定しているA社との打ち合わせに向けて、添付の見積書をご確認いただけますでしょうか。

特に、数量・単価・合計金額に誤りがないかをご確認いただきたいです。

お忙しいところ恐れ入りますが、11月6日17時までに、修正の有無をメールでお知らせいただけますと助かります。

どうぞよろしくお願いいたします。

このメールでは、確認してほしい内容、依頼の目的、期限、返信方法が明確になっています。

相手はメールを読んだ時点で、必要な作業を把握しやすくなります。

もちろん、5W1Hをすべて書けばよいというわけではありません。例えば、社内で共有済みの資料なら、説明を短くしても問題ない場合があります。

一方、初めて依頼する相手や、複数の資料を扱う場合には、詳しく書いた方が親切です。

また、期限を伝えるときは、相手の負担にも配慮しましょう。

「今日中にお願いします」と一方的に伝えるのではなく、必要な理由を説明したうえで、対応可能か確認する方法もあります。

期限付きの依頼表現について詳しく知りたい場合は、ビジネスメールで期限をお願いするときの例文と注意点も参考にしてください。

私が大切だと考えているのは、丁寧な言葉を使うことだけではありません。

相手がメールを読み終えたときに、何をすればよいか迷わないことです。

クレーム・トラブル報告の例文

商品の傷という確認済みの事実と調査中の原因を分けて報告する二人とはりたも

クレームやトラブルの報告では、通常の業務報告以上に情報の正確さが求められます。

なぜなら、報告内容をもとに、上司や関係部署が対応方針を判断することがあるからです。

このような場面では、5W1Hに加えて、事実と推測を区別することが重要になります。

例えば、お客様から商品に関するクレームが入ったとします。

改善前

「お客様から商品が壊れていると連絡がありました。配送中に壊れたようなので、交換することになりました。」

この報告で注意したいのは、「配送中に壊れた」という部分です。

配送記録などで原因を確認していない場合、単なる推測かもしれません。

推測を確定した原因として共有すると、その後の対応を誤るおそれがあります。

5W1Hを意識した改善例

「本日15時10分、お客様のB様から電話で、届いた商品に傷があるとのご連絡をいただきました。

お客様から送付された写真を確認したところ、商品の外側に傷があることを確認しています。

現在、配送記録と出荷時の検品記録を確認中であり、傷が発生した原因は特定できていません。

お客様には状況を説明し、交換対応についてご案内しています。

明日12時までに調査状況を確認し、改めて対応内容をご連絡する予定です。」

この例では、次の情報を分けています。

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区分報告内容
お客様からの申告届いた商品に傷がある
確認した事実写真で外側の傷を確認した
未確定の情報傷が発生した原因
実施した対応状況説明と交換対応の案内
今後の対応記録を調査し、改めて連絡する

このように整理すれば、上司も確認済みの情報と、これから調査が必要な情報を区別できます。

情報処理推進機構(IPA)も、情報セキュリティ上の問題が発生した際に、5W1Hの観点から状況を整理する方法を紹介しています。

ただし、5W1Hは原因を自動的に特定する手法ではありません。原因究明には、記録の確認や追加調査が必要です。

(出典:情報処理推進機構(IPA)「中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引き」)

緊急時は報告の完成を待たない

事故や重大なトラブルでは、5W1Hをすべて埋めることよりも、社内の緊急連絡ルールに従って速やかに第一報を伝えることを優先してください。

原因が分からない場合は「調査中」と伝え、判明した情報を追加で報告すればよいのです。

安全確保や被害拡大防止に必要な対応も、報告書の作成とは分けて進める必要があります。

また、報告する側だけでなく、報告を受ける側の姿勢も大切です。

相手が安心して問題を伝えられるようにする考え方については、おひたし・さしすせそとは?ビジネス用語解説でも紹介しています。

5W2Hとは?5W1Hとの違い

5W1Hを理解したら、次に覚えておきたいのが5W2H(ゴダブリューニエイチ)です。

5W2Hとは、5W1Hの6つの要素に、費用や数量などを確認するための「H」を1つ加えた考え方です。

仕事の計画や企画書、予算申請などでは、何をするのかだけでなく、どれくらいのお金や数量が必要なのかも重要になります。

そんなときに5W2Hが役立ちます。

How muchとHow manyの使い分け

研修の予算20万円と参加者30人を別々の情報として整理する二人

5W2Hの2つ目のHとして、よく使われるのが「How much」です。

ただし、資料や組織によっては「How many」を採用する場合もあり、定義が完全に統一されているわけではありません。

例えば、IPAの情報処理安全確保支援士試験の関連資料では、5W2Hの追加要素にHow muchが使われています。

(出典:情報処理推進機構(IPA)「情報処理安全確保支援士試験(レベル4)シラバス追補版(午前Ⅱ)」)

一方、中小企業支援に関する資料では、How manyを使う例もあります。

混乱を避けるため、この記事では次のように区別します。

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項目意味具体例
How muchいくら予算、費用、単価、金額
How manyいくつ・何人・何件数量、人数、件数、回数

例えば、会社で新しい研修を計画するとします。

5W1Hでは、「誰を対象に、何の研修を、いつ、どこで、なぜ、どのように実施するのか」を整理できます。

さらに、研修の予算が20万円、参加者が30人と分かれば、実施規模も具体的になります。

研修計画を5W2Hで整理した例

Who:新入社員30人

What:ビジネスマナー研修

When:11月12日13時から16時

Where:本社会議室

Why:基本的な電話対応と来客対応を学ぶため

How:外部講師による講義と実践練習

How much:予算20万円

How many:参加者30人

この例では、金額と人数の両方を整理しています。

厳密に言えば、数量と金額の両方を追加した場合、5W3Hと呼ばれることもあります。

ただし、名称を細かく区別することよりも、必要な金額と数量を明確にすることが大切です。

例えば、研修費用を比較するなら、講師への支払いだけでなく、会場費や教材費などを含むかどうかも確認したいところです。

また、参加者30人という数字についても、予定人数なのか、確定した人数なのかを区別する必要があります。

5W2Hを使うときの注意点

予算や費用は、あくまでその計画における見積条件です。例文に登場する金額は説明用の仮定であり、実際の相場を示すものではありません。

見積金額、消費税の扱い、追加費用の有無などは、正式な見積書や契約条件で確認しましょう。

5W2Hは、5W1Hより必ず優れているというものではありません。

短い業務連絡なら5W1Hで十分な場合がありますし、予算を伴う企画なら5W2Hの方が整理しやすい場合があります。

判断に金額や数量が必要なら、5W1Hに追加するという考え方で使うと分かりやすいですよ。

5W2Hを使った企画・稟議の例文

目的、導入費用、月額と試験運用を示して請求書管理システムの提案をするアカネ

5W2Hが特に役立つのは、企画書や稟議書など、実施の承認を求める場面です。

例えば、社内の請求書処理を効率化するために、新しいシステムを導入する企画を考えてみましょう。

改善前の提案

「請求書の処理に時間がかかっているので、新しいシステムを導入したいと思います。業務を効率化できるはずです。」

改善したいという意図は伝わりますが、承認する側には判断材料が不足しています。

何を導入するのか。誰が使うのか。費用はいくらかかるのか。いつから使うのか。どのような業務が改善される見込みなのか。

これらが分からなければ、承認の可否を判断しにくいでしょう。

5W2Hを意識した改善例

「請求書処理の作業時間を削減するため、2027年1月から経理部でクラウド型の請求書管理システムを導入することを提案します。

現在、月末の請求書入力や確認作業に時間がかかっているため、システムによるデータ管理と確認作業の効率化を目指します。

導入費用は50万円、月額利用料は8万円を見込んでいます。

まず経理担当者3人で試験運用し、作業時間や入力ミスの状況を確認したうえで、本格導入を判断したいと考えています。」

この例では、Whyから説明を始め、What、When、Who、How、How muchへとつなげています。

承認する側は、導入目的と必要な費用を把握したうえで、検討できます。

ただし、この文章だけでシステム導入の効果が証明されたわけではありません。

実際に導入する際は、サービスの機能、契約条件、情報管理の方法、運用にかかる負担なども確認する必要があります。

また、作業時間がどのくらい減る見込みなのか、導入後にどのような数字で効果を確認するのかも、別途整理するとよいでしょう。

費用を含む重要な判断では、正確な情報をサービス提供元の公式サイトや見積書で確認し、必要に応じて社内の担当部署や専門家に相談してください。

◆はりたものワンポイントアドバイス

管理する立場から見ると、「便利になると思います」だけでは判断が難しいんです。何に困っていて、何を変え、いくら必要なのかが分かると、初めて具体的な検討ができます。ただし、金額を示すだけでなく、その費用をかける理由まで説明することが大切だと思います。

なお、企画書で5W2Hを使う際は、必ずしもすべての項目を文章にする必要はありません。

例えば、表形式で「目的」「実施内容」「担当」「期間」「方法」「予算」を並べても、十分に情報を整理できます。

重要なのは、見栄えのよい書類を作ることよりも、承認者が必要な判断を行える状態にすることです。

5W1Hでよくある失敗と注意点

5W1Hは便利な考え方ですが、使い方を間違えると、かえって報告が分かりにくくなることがあります。

特に注意したいのは、6つの項目を埋めること自体が目的になってしまうことです。

ここでは、仕事でありがちな失敗と、その改善方法を紹介します。

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よくある失敗改善のポイント
6項目をすべて長文で説明する必要な情報を優先し、不要な説明は省く
結論が最後まで出てこない報告では結果や発生事象から伝える
「早めに」など期限が曖昧具体的な日付や時刻を示す
担当者が決まっていない誰が責任を持って進めるか確認する
原因を推測で決めつける確認済みの事実と推測を区別する
方法が「適切に対応」のまま実施方法や次の行動を具体化する
必要な金額や数量が抜けている必要に応じて5W2Hを使う

例えば、「なるべく早く対応します」という報告は、相手によって受け取り方が変わります。

今日中に終わると思う人もいれば、数日以内だと考える人もいるでしょう。

こうした認識のずれを防ぐには、「11月6日17時までに対応します」など、具体的な期限を示す方法が役立ちます。

ただし、自分で確約できない期限を勝手に決めるのは避けましょう。

その場合は、「11月6日までに対応できるか確認し、明日中にご連絡します」といった伝え方もできます。

また、「原因は担当者の確認不足です」という報告にも注意が必要です。

本当に確認不足が原因なのか、作業手順や情報共有の仕組みに問題がなかったのかは、調査しなければ分からない場合があります。

特にトラブル報告では、事実を整理する段階と、原因を分析する段階を分けることが重要です。

5W1Hは情報の正しさまで保証しない

5W1Hは、確認すべき項目を見つけるための枠組みです。

すべての項目が埋まっていても、内容が誤っていれば正しい報告にはなりません。

日時、金額、数量、担当者などは、必要に応じて記録や資料で確認してください。

確認できていないことは「未確認」「調査中」と伝える方が適切です。

もう一つ、私が注意したいのは、相手がすでに知っている情報まで繰り返してしまうことです。

例えば、毎日の定例報告で、毎回同じ部署名や作業場所を詳しく説明する必要はないかもしれません。

受け手が知っていることは省略し、変化した点や新しい情報を中心に伝えた方が分かりやすくなる場合があります。

反対に、初めて報告を受ける人には、背景から説明した方が親切でしょう。

つまり、5W1Hを使うときは、何を書くかだけでなく、何を省くかも考えることが大切です。

仕事では、自分が説明したいことと、相手が知りたいことが必ずしも一致しません。

その違いを意識すると、報告の質をさらに高められると思います。

5W1HとPDCA・KPIの違い

ビジネスで使われる考え方には、5W1HのほかにPDCAやKPIなどがあります。

これらは似たような場面で登場することがありますが、目的は異なります。

5W1Hは情報を整理する方法であり、PDCAは改善を進める考え方、KPIは進捗や成果を測るための指標です。

違いを理解しておくと、目的に合った方法を選びやすくなります。

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考え方主な目的使いやすい場面
5W1H情報や計画を整理する報告、依頼、会議、企画
5W2H費用や数量まで具体化する予算、稟議、事業計画
PDCA実行結果を確認して改善する業務改善、品質管理
KPI進捗や成果を数字で把握する目標管理、実績確認
なぜなぜ分析問題の原因を掘り下げる不具合の原因調査、再発防止

例えば、「営業担当者の報告が遅れる」という課題があるとしましょう。

最初に5W1Hを使い、誰が、どのような報告を、いつ、どの方法で行っているのかを整理します。

そのうえで、報告方法の改善を計画し、実行します。

改善後は、報告にかかる時間や期限内に提出された割合などを確認すると、変化を把握しやすくなります。

このような場面で、PDCAやKPIが役立ちます。

PDCAは、次の4つの段階を繰り返す考え方です。

PDCAの基本

Plan(計画):何を改善するか決める

Do(実行):計画した内容を実施する

Check(評価):結果を確認する

Act(改善):結果を踏まえて見直す

例えば、報告書の提出遅れを減らすため、提出方法を見直したとします。

計画を立てて実行した後、実際に提出遅れが減ったか確認し、必要に応じて運用を改善します。

5W1Hは、このうち計画を具体化する場面などで活用できます。

(出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「PDCAサイクルを回すことで生産性を高める」)

一方、KPIは、目標に向けた進捗や成果を測るための指標です。

例えば、「報告書の期限内提出率」をKPIとして設定すれば、改善状況を数字で確認できます。

ただし、数字が改善したからといって、特定の施策だけが原因だとは限りません。

仕事内容や提出件数など、ほかの条件が変わっている可能性もあるためです。

そして、トラブルの原因を詳しく調べたいときには、なぜなぜ分析などを活用する方法があります。

なぜなぜ分析は、「なぜ、その問題が起きたのか」を掘り下げて考える方法です。

5W1HのWhyにも「なぜ」という意味がありますが、5W1Hだけで根本原因まで分かるわけではありません。

まず事実を整理し、必要に応じて原因分析を行うという使い分けが大切です。

◆はりたものワンポイントアドバイス

仕事を改善しようとすると、つい難しい手法を使いたくなることがあります。でも、最初から複雑に考える必要はありません。まず「何が問題で、誰が、いつ、どう対応するのか」を整理する。それだけでも、次に考えるべきことが見えてくる場合があります。5W1Hは、その最初の整理に使いやすい方法だと思います。

なお、5W1H、KPI、PDCAを必ず決まった順番で使わなければならないわけではありません。

仕事の内容や解決したい問題に応じて、必要なものを組み合わせていきましょう。

5W1Hに関するよくある質問(FAQ)

順番、必要な項目、未確認情報の扱いを相談し、報告を完成させる三人

最後に、5W1Hや5W2Hをビジネスで使うときによくある疑問を整理します。

5W1Hの正しい順番は決まっていますか?

5W1Hには、すべての場面で守らなければならない固定の順番はありません。

一般的にはWho、What、When、Where、Why、Howなどの順番で覚えますが、実際のビジネスでは伝える目的によって並べ替えて問題ありません。

例えば、通常の報告では「何をしたか」、企画では「なぜ行うか」、緊急報告では「何が起きたか」を先に伝えると分かりやすくなります。

暗記する順番よりも、相手が知りたい情報を優先することが大切です。

5W1Hと5W2Hはどう使い分ければよいですか?

状況や計画を整理したい場合は5W1H、金額や数量などの情報も重要になる場合は5W2Hを使うと分かりやすいです。

例えば、日報や簡単な業務連絡なら5W1Hで十分な場合があります。

一方、予算が必要な企画や稟議では、How muchを加えて費用を示すと判断材料が増えます。

ただし、5W2Hの追加要素については、How muchとHow manyの両方の用例があります。会社や資料によって定義が異なる場合があるため、使用する際は確認すると安心です。

5W1Hはすべての項目を埋める必要がありますか?

必ずしも6項目すべてを文章にする必要はありません。

5W1Hは、情報の抜け漏れを確認するための考え方です。

例えば、社内で共有済みの作業場所を毎回説明する必要はないかもしれません。

反対に、初めて報告する相手には、背景や実施場所まで説明した方が分かりやすい場合があります。

私としては、「6つ全部書いたか」よりも、「相手が判断するための情報がそろっているか」を確認することが大切だと考えています。

5W1Hは上司への報告やメールでも使えますか?

はい。5W1Hは、上司への報告や依頼メールでも活用できます。

例えば、上司への進捗報告では、何がどこまで終わっているか、誰が担当しているか、いつまでに完了するかを明確にすると、状況を把握してもらいやすくなります。

依頼メールでは、何をお願いしたいのか、いつまでに必要なのか、どのような方法で返答してほしいのかを整理すると、相手が行動しやすくなります。

ただし、情報がそろっていることと、失礼のない表現であることは別の問題です。相手との関係に応じた敬語や配慮も忘れないようにしましょう。

5W1Hを使えば問題の原因まで分かりますか?

5W1Hは問題の状況整理に役立ちますが、それだけで根本原因を特定できるわけではありません。

例えば、機械が停止した場合、いつ、どこで、何が起き、誰が確認し、どのような対応を行ったかを整理できます。

しかし、停止した原因を調べるには、設備の点検記録や作業履歴など、追加の確認が必要になる場合があります。

原因が分からない段階では、推測を確定情報として伝えず、「原因は調査中」と明記しましょう。

必要に応じて、なぜなぜ分析などの原因分析手法を組み合わせることも検討してください。

まとめ|はりたも流・伝わる報告のコツ

5W1Hは、ビジネスで必要な情報を整理し、相手に分かりやすく伝えるための基本的な考え方です。

6つの項目を覚えることも大切ですが、私がそれ以上に大切だと思うのは、相手が何を知り、どう判断し、次に何をすればよいかを意識することです。

最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。

5W1Hを仕事で使うためのポイント
  • 5W1Hは「誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように」の6つの視点
  • 正しい順番は一つではなく、報告や企画などの目的に合わせて並べ替える
  • 日報や報告では、結果・担当者・期限・次の行動を明確にする
  • 会議では、決定事項と担当者、実施期限を整理する
  • メールでは、相手が何をすればよいか分かる文章を意識する
  • 費用や数量が重要な場合は、5W2Hを活用する
  • トラブル報告では、確認した事実と推測を区別する
  • 5W1Hだけで原因分析や成果測定まで完結するわけではない

仕事をしていると、丁寧に説明しようとするあまり、話が長くなってしまうことがあります。

もちろん、背景を詳しく説明することが必要な場面もあります。しかし、情報が多ければ多いほど、相手に伝わりやすくなるとは限りません。

例えば、「いろいろ検討していて、関係部署にも確認しているところです」と報告するよりも、「営業部の田中さんが、11月6日までに料金案をまとめ、契約更新の判断材料を準備しています」と伝えた方が、仕事の状況を把握しやすいでしょう。

そこに「なぜ、その対応が必要なのか」という目的が加われば、判断の背景も理解しやすくなります。

私が考える伝わる報告とは、難しい言葉を使った報告でも、長く詳しく説明する報告でもありません。

誰が・何を・いつまでに・なぜ行うのかを整理し、相手がすぐに判断できる報告です。

◆はりたものワンポイントアドバイス

報告は、話すこと自体が目的ではありません。報告を受けた人が、状況を理解して、必要な判断や行動につなげられることが大切です。私も、長い説明をするより「誰が、何を、いつまでに、なぜ行うのか」が分かる報告を心がけたいと考えています。最初から完璧を目指さず、まずはこの4つを整理するところから始めてみてください。

5W1Hは、特別な知識や道具がなくても、今日から使える考え方です。

次に報告やメールを書くときは、送信する前に「相手が知りたい情報はそろっているかな?」と確認してみましょう。

その小さな工夫が、相手への配慮を形にし、仕事を前に進めることにつながると思います。

仕事で迷ったときの基本的な考え方をもっと整理したい方は、ビジネス基礎とは?仕事の土台をやさしく解説も参考にしてくださいね。

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