仕事を始めたばかりのころは、「この敬語で合っているかな」「取引先に失礼じゃないかな」と、メールを送る前や電話に出る前に不安になることがありますよね。
ビジネス敬語にはたくさんの表現がありますが、すべてを暗記する必要はありません。私が実務で大切だと感じているのは、難しい敬語をたくさん知ることより、よく使う定番表現を場面に合わせて正しく使えることです。
この記事では、新人の方でもすぐに使えるように、ビジネス敬語の一覧とそのまま使える例文を、電話・メール・会議・報告・依頼・謝罪といった実際の仕事の場面に分けて整理します。
「尊敬語と謙譲語の違いがいまいち分からない」という方も大丈夫です。まずは基本を押さえて、必要な表現から少しずつ使えるようになっていきましょう。













この記事で理解できること
- ビジネス敬語の基本となる5種類と違い
- 仕事でよく使うビジネス敬語の一覧と使い分け
- 電話・メール・会議・依頼などで使える敬語例文
- 二重敬語や「させていただく」など間違えやすい表現
ビジネス敬語は定番表現から覚える
ビジネス敬語を勉強しようとすると、尊敬語や謙譲語の一覧を全部覚えなければいけないように感じるかもしれません。しかし、実際の仕事で使う表現はある程度決まっています。
たとえば、「言う」なら「おっしゃる」「申す・申し上げる」、「見る」なら「ご覧になる」「拝見する」といったように、よく登場する言葉から覚えていけば十分に対応できます。
| 普段の言葉 | 相手の動作 | 自分の動作 |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 行く | いらっしゃる | 伺う・参る |
| 聞く | お聞きになる | 伺う |
| する | なさる | いたす |
最初から細かな分類だけを暗記するより、「この動作をするのは誰か」を考える癖をつけるほうが実務では役立ちます。
相手がする行為なら相手を立てる表現、自分がする行為なら自分側を控えめに表す言葉を検討する。まずはこの考え方から始めてみてください。
◆はりたものワンポイントアドバイス
私が仕事で大事にしているのは、敬語を難しくすることではなく、相手が内容をすぐ理解できることです。丁寧さを意識するあまり文章が長くなってしまったら、「もっと短く伝えられないかな」と見直してみるといいですよ。
ビジネス敬語の基本5種類
現代の敬語は、文化審議会の「敬語の指針」では、尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ(丁重語)・丁寧語・美化語の5種類に整理されています。
学校などでは「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3種類で覚えた方も多いと思います。それも間違いではありません。現在の5分類では、従来の謙譲語などを役割によってさらに細かく整理しています。
新人のうちは名称を完璧に言えることよりも、誰を立てる表現なのかを理解しておくことが大切です。
尊敬語と謙譲語の使い分け

尊敬語は、相手や話題になっている人物の行為・状態を高めて表す敬語です。
たとえば、取引先の担当者が来る場合は「○○様がいらっしゃいます」、相手が資料を見る場合は「資料をご覧ください」と表現します。
一方の謙譲語は、自分側の行為を控えめに表すことで、結果として相手への敬意を示します。
自分が取引先を訪問するなら「伺います」、相手から送られた資料を見るなら「拝見します」といった形です。
迷ったら動作主を確認しましょう。
相手が「言う」なら「おっしゃる」、自分が「言う」なら「申す・申し上げる」というように、まず誰の行動なのかを見ると判断しやすくなります。
さらに謙譲語は、現在の分類では謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱ(丁重語)に分けられます。
「伺う」「申し上げる」「ご説明する」などは、相手へ向かう自分の行為をへりくだる謙譲語Ⅰです。
「参る」「申す」「いたす」「おる」などは、自分側の行為や状態を話し相手に丁重に伝える謙譲語Ⅱに分類されます。
新人の段階では細かな名称で迷いすぎなくても大丈夫です。「相手の行為なのに自分を低くする言葉を使っていないか」という点を確認するだけでも、多くの間違いを防げます。
丁寧語・丁重語・美化語の違い

丁寧語は、「です」「ます」「ございます」のように、話し相手に対して文章全体を丁寧にする表現です。
ビジネスでは、まず文末を「です・ます」にそろえるだけでも印象はかなり安定します。
丁重語は先ほど触れた謙譲語Ⅱのことで、「参る」「申す」「いたす」「おる」など、自分側の行為を話し相手へ改まって伝える言葉です。
たとえば、電話で「担当の田中はおります」と言う場合の「おる」が該当します。
美化語は「お酒」「お料理」のように、特定の人を立てるのではなく、言葉そのものを上品に表現するものです。
「お名前」「ご住所」の「お・ご」は相手に対する敬意を含みますが、「お酒」「お料理」は語そのものを上品にする美化語です。同じ「お・ご」でも役割が違います。
なお、「お」「ご」は何にでも付ければ丁寧になるわけではありません。ただし、「自分の行為だから『お・ご』を付けてはいけない」というルールでもありません。
たとえば、「私からご説明します」「荷物をお持ちします」は、相手へ向かう自分の行為をへりくだる自然な表現です。
ビジネス敬語一覧
ここからは、実際の仕事で登場しやすいビジネス敬語を一覧で整理します。
全部を一度に覚えようとする必要はありません。まず「言う・見る・行く・聞く・する」など使用頻度の高い言葉を押さえ、その後に仕事で必要になった言葉を増やしていく方法がおすすめです。
よく使う尊敬語一覧

尊敬語は、取引先・顧客・上司など、立てる相手の行為や状態について使います。
| 普段の言葉 | 尊敬語 | 使用例 |
|---|---|---|
| 行く・来る・いる | いらっしゃる | 田中様はいらっしゃいますか |
| 言う | おっしゃる | 先ほどおっしゃった件です |
| する | なさる | どちらになさいますか |
| 見る | ご覧になる | 資料をご覧ください |
| 食べる・飲む | 召し上がる | どうぞお召し上がりください |
| 知る | ご存じ | ご存じでしょうか |
| 読む | お読みになる | すでにお読みになっていますか |
| 待つ | お待ちになる | こちらでお待ちください |
| 聞く | お聞きになる | すでにお聞きになりましたか |
| 持つ | お持ちになる | 資料はお持ちですか |
| くれる | くださる | ご連絡くださりありがとうございます |
尊敬語で特に注意したいのが、相手の行為に謙譲語を使ってしまうケースです。
たとえば、お客様へ「担当者に伺ってください」と言うと、自分側が使う「伺う」を相手の動作に使うことになります。「担当者にお尋ねください」などとすると分かりやすいですね。
よく使う謙譲語一覧

謙譲語は、自分や自社側の人間の行動を控えめに表現するときによく使います。
| 普段の言葉 | 謙譲表現 | 使用例 |
|---|---|---|
| 行く・訪ねる | 伺う | 明日15時に伺います |
| 行く・来る | 参る | 弊社から二名で参ります |
| 言う | 申す | 山田と申します |
| 言う | 申し上げる | 御礼申し上げます |
| 会う | お目にかかる | お目にかかれて光栄です |
| 見る | 拝見する | 資料を拝見しました |
| もらう | いただく | お時間をいただきありがとうございます |
| する | いたす | こちらで確認いたします |
| いる | おる | 担当者は社内におります |
| 聞く・受ける | 承る | ご用件を承ります |
| 説明する | ご説明する | 私からご説明します |
社外の人と話すときは、自社の上司も「自分側」として扱うのが基本です。
たとえば取引先に対して、「弊社の田中部長がおっしゃっていました」ではなく、「弊社の田中が申しておりました」のように表現します。
社内と社外では同じ人物でも敬語が変わります。
社内で部長について話すなら「部長がおっしゃっていました」と自然に言える場面があります。一方、社外の人へ自社の部長について説明するときは、自社側の人間を高めないのが基本です。
丁寧語と頻出表現一覧

実務では、単独の敬語だけでなく、敬語と相手への配慮を組み合わせた定型表現を頻繁に使います。
| 伝えたいこと | ビジネスで使いやすい表現 |
|---|---|
| 分かりました | 承知しました |
| 承りました | かしこまりました |
| すみませんが | 恐れ入りますが |
| お願いします | お願いいたします |
| 確認してください | ご確認ください |
| 確認してもらえますか | ご確認いただけますか |
| 検討してください | ご検討ください |
| 教えてください | ご教示いただけますか |
| 手間をかけますが | お手数をおかけしますが |
| 待ってください | 少々お待ちください |
| すみません | 申し訳ございません |
| 謝ります | お詫び申し上げます |
ここで覚えておきたいのが、「いただく」と「くださる」です。
「ご確認いただきありがとうございます」は、自分側が相手の行為を恩恵として受ける視点です。「ご確認くださりありがとうございます」は、確認してくれた相手の行為を立てる視点になります。
どちらか一方だけが常に正解というわけではなく、視点が違うと考えると分かりやすいですよ。
また、補助的に使う「いただく」「くださる」は、一般に平仮名で書くのが基本です。「資料をご確認いただく」「ご連絡くださる」と書きます。
ビジネス敬語の例文集
敬語は単語だけを覚えるより、文章として覚えてしまったほうが実際の仕事では使いやすくなります。
ここでは、コピーして状況に合わせて調整しやすいビジネス敬語の例文を場面別に紹介します。
電話対応で使える敬語例文

電話は相手の表情が見えないため、言葉だけで状況を正確に伝える必要があります。
自分の名前を伝える場合
「お電話ありがとうございます。株式会社○○、営業部の山田と申します。」
担当者が不在の場合
「申し訳ございません。田中はただいま席を外しております。」
用件を聞く場合
「差し支えなければ、ご用件を伺ってもよろしいでしょうか。」
伝言を受ける場合
「かしこまりました。そのように申し伝えます。」
名前を聞き直す場合
「恐れ入ります。お名前をもう一度伺ってもよろしいでしょうか。」
少し待ってもらう場合
「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
電話では、難しい敬語を使うことよりも、会社名・名前・用件・次の対応を明確にすることが大切です。「担当者がいません」で終わらず、「戻り次第こちらからご連絡いたしましょうか」まで伝えられると相手が次の行動を判断しやすくなります。
メールで使える敬語例文

ビジネスメールでは、丁寧さだけでなく「何をしてほしいのか」がすぐ分かる文章を意識しましょう。
メールの冒頭
「いつもお世話になっております。株式会社○○の山田です。」
資料を確認してもらう場合
「恐れ入りますが、添付資料をご確認いただけますでしょうか。」
より簡潔にするなら、「恐れ入りますが、添付資料をご確認いただけますか」でも十分丁寧です。
受け取った資料を確認した場合
「先ほどお送りいただいた資料を拝見しました。ご対応いただきありがとうございます。」
質問したい場合
「一点確認したいことがございます。差し支えなければ、○○についてご教示いただけますでしょうか。」
質問メールを具体的に作りたい場合は、質問がありますを丁寧に伝えるビジネスメール例文も参考にしてください。
回答期限を伝える場合
「ご多忙のところ恐縮ですが、○月○日までにご回答いただけますと幸いです。」
メールでは敬語を重ねすぎると、一文が長くなって要件が見えにくくなります。「何を」「いつまでに」「どうしてほしいか」を先に整理してから文章を整えると、読みやすくなります。
会議や報告で使える敬語例文

会議や報告では、礼儀だけでなく情報を正確に共有することが重要です。
説明を始める場合
「それでは、今回の変更点について私からご説明します。」
報告する場合
「現在の進捗についてご報告いたします。」
問題が発生した場合
「当初の予定より二日ほど遅れる見込みです。現在原因を確認しており、判明次第改めてご報告いたします。」
上司へ相談する場合
「私だけでは判断が難しいため、今後の対応についてご相談したいのですが、お時間をいただけますでしょうか。」
意見を伝える場合
「ご趣旨は理解しております。一方で、納期については改めて検討する必要があると考えております。」
反対意見を伝えるときも、相手の意見を否定することから始める必要はありません。相手の考えを確認したうえで、自分の判断と理由を伝えたほうが仕事は前へ進みやすいですよ。
◆はりたものワンポイントアドバイス
報告では、敬語より先に「結論」を意識してみてください。「現在どうなっているのか」「何が問題なのか」「次にどうするのか」が伝われば、上司も判断しやすくなります。丁寧だけど何を言っているか分からない報告にしないことが大切です。
依頼・謝罪で使える敬語例文

依頼や謝罪は、相手に負担をかけたり、不快な思いをさせたりする可能性がある場面です。そのため、敬語そのものに加えて相手への配慮が重要になります。
確認を依頼する場合
「お手数をおかけしますが、添付内容をご確認いただけますでしょうか。」
対応できるか尋ねる場合
「差し支えなければ、○月○日までにご対応いただけますでしょうか。」
相手に選択の余地を残したい場面では、「もし可能でしたら」という表現も使えます。具体的な使い分けは、「もし可能でしたら」のビジネスメールでの使い方でも詳しく整理しています。
迷惑をかけた場合
「この度は弊社の確認不足により、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。」
正式に謝罪する場合
「この度の件につきまして、心よりお詫び申し上げます。」
再発防止まで伝える場合
「原因を確認し、再発防止策を講じた上で、改めてご報告いたします。」
謝罪では、丁寧な敬語を重ねるだけでなく、何が起きたのか、誰が対応するのか、今後どうするのかを明確にすることが大切です。責任の所在が関わる重大なトラブルでは、自己判断だけで回答せず、上司や担当部署と確認してから対応しましょう。
間違えやすいビジネス敬語
ビジネス敬語には、「丁寧にしよう」と思うほど間違えやすくなる表現があります。
代表的なのが、尊敬表現を重ねる二重敬語と、「させていただく」を必要以上に使うケースです。
敬語は長くすれば丁寧になるわけではありません。意味が伝わる範囲で、必要な敬意を適度に表すことを意識しましょう。
二重敬語と過剰敬語に注意

二重敬語とは、一つの言葉について同じ種類の敬語を重ねて使う表現です。
たとえば、
「お読みになられる」
は、「お読みになる」と尊敬の「られる」が重なっています。そのため、「お読みになる」または「読まれる」とするほうが基本的にはすっきりします。
| 迷いやすい表現 | 分かりやすい表現 |
|---|---|
| お読みになられる | お読みになる |
| ご説明になられる | ご説明になる |
| ご確認していただけますか | ご確認いただけますか |
| ご確認していただけませんでしょうか | ご確認いただけますか |
ただし、二重敬語だから何でも機械的に間違いと判断するのも注意が必要です。
「お召し上がりになる」「お伺いする」のように、敬語が重なった形でも慣用として定着している表現があります。
また、「ご覧になっていらっしゃる」のように、別々の動詞をそれぞれ敬語にしてつないだものは「敬語連結」と呼ばれ、単純な二重敬語とは区別されます。
新人のうちは、「二重敬語を絶対に一つも使わない」と神経質になるより、明らかに長くなっている文章を短くできないか確認する程度から始めると実践しやすいですよ。
また、「了解しました」を一律に「日本語として間違い」と考える必要もありません。「了解」には内容を理解し、承認する意味があります。
ただし、顧客や取引先への改まった応答では、「承知しました」「かしこまりました」のほうが場面に合いやすいことがあります。
内容を確認した際の言い方で迷う場合は、「内容確認しました」のビジネスメール例文も参考にしてください。
させていただくの正しい使い方

ビジネスで非常によく耳にするのが、「させていただきます」という表現です。
丁寧に聞こえるため、何にでも付けたくなるかもしれません。しかし、「させていただく」は単純に「する」を丁寧に変える万能表現ではありません。
基本的には、相手や第三者の許可を受けて行うこと、そしてその行為によって自分側が恩恵を受けることが関係する場合に使いやすい表現です。
たとえば、
「こちらの資料をコピーさせていただけますか。」
であれば、相手の資料をコピーする許可を求めているため自然です。
一方で、単に自社の予定を伝えるだけなのに、
「本日は休業させていただきます。」
とすると、誰から許可を受け、どのような恩恵を受けているのかが明確でない場合があります。このような場面では、
「本日は休業いたします。」
と簡潔に伝えても十分です。
「させていただきます」を使う前に確認すること
「誰かの許可が必要な行為かな」「その許可によってこちらが恩恵を受けるかな」と考えてみてください。特に必要がなければ「いたします」「します」で自然に伝えられる場合が多いです。
ただし、現実のビジネスでは「させていただく」の使われ方も広がっています。そのため、少し条件から外れているだけで相手の敬語を「間違い」と決めつけるのも避けたいところです。
ヒロイヨミノ森では、敬語を「正解を当てるゲーム」ではなく、相手への配慮を形にしながら仕事を前へ進めるための道具として考えています。
迷ったときの敬語チェック方法
ここまで読んでも、「実際に文章を書くとやっぱり迷う」ということはあると思います。
そんなときは、敬語の名称を一つずつ思い出そうとするのではなく、順番に確認していくと判断しやすくなります。
敬語で迷ったときの確認順序
- 誰がその動作をするのか確認する
- 相手の動作なら尊敬語を検討する
- 自分側の動作なら謙譲語・丁重語を検討する
- 文末を「です・ます」にそろえる
- 同じ敬語を重ねていないか確認する
- 丁寧にしようとして文章が長くなっていないか確認する
- 相手が次に何をすればよいか分かる文章になっているか確認する
たとえば、「取引先に資料を見てもらいたい」という場面なら、動作をするのは相手です。
そこで「見る」の尊敬表現を考え、「資料をご覧ください」とできます。
一方、「取引先から届いた資料を自分が見た」なら動作をするのは自分です。そのため、「資料を拝見しました」と表現できます。
この「誰がやるのか」を確認するだけでも、尊敬語と謙譲語の混同はかなり減らせます。
◆はりたものワンポイントアドバイス
実際の仕事では、敬語が100点でも、相手が「結局どうすればいいの?」となってしまえば十分とは言えません。私は、正しい言葉を選ぶことと同じくらい、相手が迷わず次の行動に移れる文章になっているかを大切にしています。
また、役職の呼び方や定型表現には会社・業界ごとの慣習もあります。「社長様」「部長様」のような呼称についても、すべての会社で一律に判断できるとは限りません。
社内ルールが定められている場合は、一般的な敬語の知識だけでなく、勤務先の運用も確認してください。
ビジネス敬語に関するよくある質問(FAQ)

Q1. ビジネス敬語は何から覚えればいいですか?
A. まずは「言う・見る・行く・聞く・する」など、日常的に使う動詞の尊敬語と謙譲語から覚えるのがおすすめです。「おっしゃる・申し上げる」「ご覧になる・拝見する」「いらっしゃる・伺う」などは多くの仕事で使えます。難しい表現を増やすより、定番を正しく使えるほうが実務では役立ちます。 Q2. 「了解しました」は上司に使ってはいけませんか?
A. 「了解しました」そのものを日本語として誤りと断定する必要はありません。ただ、上司・顧客・取引先などへの改まった応答では、「承知しました」や「かしこまりました」のほうが場面に合いやすいでしょう。相手との関係性や会社の慣習も踏まえて選んでください。 Q3. 「いただく」と「くださる」はどう違いますか?
A. 「いただく」は相手から自分側が恩恵を受ける視点、「くださる」は相手の行為を立てる視点です。「ご確認いただきありがとうございます」と「ご確認くださりありがとうございます」は、視点こそ違いますが、どちらも使える場面があります。 Q4. 「させていただきます」は使わないほうがいいですか?
A. 使ってはいけない表現ではありません。相手や第三者の許可を受けて行い、そのことで自分側が恩恵を受ける場面では自然です。ただ、丁寧にするためだけに何でも「させていただきます」にすると文章が長くなります。「いたします」で十分な場面も多いですよ。 Q5. 敬語を間違えない一番簡単な方法はありますか?
A. まず「その動作をするのは誰か」を確認してください。相手の行為なら尊敬語、自分側の行為なら謙譲語・丁重語を検討します。そのうえで文末を「です・ます」に整えれば、基本的な敬語はかなり安定します。最後に、敬語を重ねすぎて文章が分かりにくくなっていないか確認すると安心です。
まとめ
ビジネス敬語で本当に大切なのは、難しい表現をたくさん覚えて披露することではありません。
よく使う定番表現を正しく使い分け、相手が迷わず仕事を進められるように伝えることです。
まずは「誰の動作か」を確認し、相手なら尊敬語、自分側なら謙譲語を考えるところから始めてみてください。そのうえで「承知しました」「恐れ入りますが」「ご確認いただけますか」「申し訳ございません」といった頻出表現を身につければ、かなり多くのビジネスシーンに対応できます。
丁寧さは、言葉を長くすることで生まれるものではありません。相手への配慮が伝わり、仕事が前へ進む。そんな敬語を一つずつ身につけていきましょう。
